2013 Fiscal Year Research-status Report
循環型メディア共同体の形成を支援する文化プログラムと技術基盤の統合的デザイン
Project/Area Number |
24603006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水越 伸 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (60219623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 雅子 札幌大谷大学, 芸術学部, 講師 (20431976)
田中 克明 一橋大学, 学内共同利用施設等, 助教 (80376657)
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Keywords | メディア論 / デジタル・ストーリーテリング / 市民メディア / コミかるた / メディア・コンテ / 美唄50音かるた / 東京都中央区 / 北海道美唄市 |
Research Abstract |
平成25年度は、次のような活動をおこなった。 (1)東京都中央区文化・生涯学習課と連携をして地域住民がデジタル・ストーリーテリング(以下、DST)を自律的におこなうためのプログラムに関する地域メディア実践をおこなった。DSTの中でも対話型で物語りづくりを進める「メディア・コンテ」(代表者らがかつてCREST研究で開発したプログラム)を用い、地域住民がたんにDSTを制作する技術を習得するだけではなく、他の地域住民がDSTを制作するための編集支援が出来るような文化プログラムをデザイン、実施し、おおむね成功することが出来た。これらの活動の中で平成24年度に進めた「コミかるた」や、それ以前に代表者らがおこなっていた「あいうえお画文」など、より簡易なDSTも実施した。 (2)上記「中央区メディア・コンテ」をウェブサイトにアップロードして閲覧可能にするとともに、テレビ朝日、地元ケーブルテレビ局(東京ベイネット)、地元社会教育サイト(まちひとサイト)など複数のメディアと連携し、上映会を2回おこなうなどして、中央区に循環型メディア共同体を形成することが出来た。この活動は次年度以降も継続することが決まっている。 (3)「中央区メディア・コンテ」と並行するかたちで北海道美唄市で「美唄50音かるた」という地域メディア実践研究を進めた。この実践には研究分担者の所属校、美唄市など複数の組織が関わっていたが、文化プログラム作りの基礎研究を本研究の一環としておこなった。 (4)「コミかるた」「メディア・コンテ」などのDSTを実施する海外実践調査地の検討を引きつづき進めた。 (5)上記の成果を内外で発表することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)「地域メディア実践」については平成24年度の「コミかるた」に引きつづき、「中央区メディア・コンテ」が実現し、複数のメディアや関係機関との連携のもとで循環型メディア共同体の形成に成功し、さらにそれを持続的なプログラムとして地域住民に手渡すことが出来た。従来型のメディア論、市民メディア論にデザインからアプローチし、実現し得たことは大きい。その成果の一部を内外で発表することが出来た。これと並行して「美唄50音かるた」も実践し、継続することが出来た。 しかし海外での実践研究を結果として実施することが出来ておらず、その点は遅れている。当初予定していた台北、ロサンゼルスからヘルシンキなどフィンランドの諸地域に場所を変えることを前提に検討している。 (2)「メディア共同体デザイン」については、「コミかるた」「あいうえお画文」のウェブサイトを作成、あるいは更新することが出来た。それらをふくめたより総合的、俯瞰的なメディア作りが若干遅れ気味である。しかし、そのための内外での聞き取り調査、および企画立案は終えることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)「地域メディア実践」については、東京都中央区、北海道美唄市とは別に、東日本大震災の被災地、およびフィンランドのいくつかの地域での実践を計画する。すでに実現したことがらを踏まえつつ、GIS(地理情報システム)を組み込んだかたちでの文化プログラム、および技術基盤へと更新を図る。 (2)「メディア共同体デザイン」については、上記の「地域メディア実践」と結びつけつつ進め、年度後半に総合的、俯瞰的なメディア作りを実現する。 (3)年度内に成果報告のためのセミナーをおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外における地域メディア実践、および総合的、俯瞰的なメディア作り(創造支援システムを用いたウェブサイト等)の実際の制作過程がずれ込んでしまったことによる。 年度前半で総合的、俯瞰的なメディア作りを進める。年度後半に海外における地域メディア実践をおこなう。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] おもてなしのデザイン2014
Author(s)
宮田雅子
Organizer
DEVELOPMENTAL/オープントーク
Place of Presentation
札幌市立大学サテライト・キャンパス、北海道
Year and Date
20140222-20140222
Invited
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