2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24603011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 真宏 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (10379159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 晶 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (80376574)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 仕掛学 / トリガ / 意識や行動の変化 |
Research Abstract |
本研究課題である「実空間における影響伝播」は、人の意識や行動を変える「仕掛け」の研究と位置付けて研究を開始した。2012年4月から研究代表者がStanford大学での在外研究を開始したことから、Stanford大学のRenate Fruchter博士と仕掛学(Shikakeology)の共同研究を始めた。Renate Fruchter博士とは定期的にミーティングを行い、仕掛けのトリガの体系化に取り組んだ。 2012年6月12日には人工知能学会全国大会において仕掛学セッションのオーガナイザーを務め、2件の招待講演、14件の口頭発表で大いに盛り上がった。研究代表者も2件発表を行った。2013年2月26日には電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション基礎研究会において、仕掛学による草の根イノベーション構想に関する口頭発表を行った。 また、研究代表者は2013年3月25~27日にStanford大学にて開催されたAAAI Spring Symposium on Shikakeologyをオーガナイズした。シンポジウムは2件のキーノートスピーチ、および21件の口頭発表からなり、聴講者も加わって3日間に分かり活発な議論が行われた。そこで研究代表者は4件、研究分担者も1件の口頭発表を行い、仕掛学のアイデアを世界に向けて発信することができた。本シンポジウムのレポートはAI Magazine誌でも掲載される予定である。 また、2013年3月28~30日に大阪府立大学花村周寛准教授とアリゾナ州に赴き、ネイティブインディアンの聖地であるSedonaのボルテックスやJames Turrell氏のRoden Craterを訪問し、ワースワークや聖地の持っている感覚の再編成という壮大な仕掛けを調査した。 また、SFC Journalから仕掛学のひとつであるフィールドマイニングに関する論文を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
仕掛けの120事例を詳細に分析し、トリガという視点から体系化を進め、19カテゴリからなる仕掛けトリガカテゴリを構築した。また、トリガパターンの分析も行い、頻出パターンから有用なトリガの組み合わせを考察した。この成果をまとめた論文に加えて、他3件の仕掛学に関する論文をAAAI Spring Symposium on Shikakeologyで発表した。 また、双対問題としての仕掛学という観点から考察をまとめて人工知能学会全国大会で発表し、草の根イノベーション構想についての考察は電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション基礎研究会で発表した。また、人の見方を変える仕掛けの一つであるフィールドマイニングゲームについても考察を論文にまとめ、SFC Journalから刊行した。また、研究分担者もマーケティングという観点から仕掛学の枠組みを考察し、上述したSymposiumで発表した。 以上より、さまざまな観点から仕掛けについての考察、および情報発信を行うことができ、当初の計画以上に進展していると確信している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は仕掛けのトリガの体系化を進めたが、2年目は、行動、目的、状況といった視点からも体系化を進めている予定である。また、仕掛け事例の追加も継続して行い、これらの成果を論文として発表していく予定である。 また、2年目は実際の仕掛け作りにも着手する予定である。具体的には、CADによる3Dモデリングおよび3Dプリンタによる仕掛けの実物や、Arduino等を利用した電子デバイスを組み込んだ仕掛けの実物を制作する予定である。 また、デザイン思考、Personal Fabrication、マーケティング、マネジメントに関するワークショップ等にも積極的に参加してグループワーク、ラピッドプロトタイピングなどのノウハウを習得する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
仕掛けの実物を作成するための設備(CADソフトウェア、3Dプリンタ、および電子工作用品一式)を揃える。また、国際会議への論文投稿費用および旅費、ワークショップへの参加費および旅費、また研究費で主催するワークショップの開催費用が主な用途になる。 なお、2013年4月よりスタンフォード大学に滞在して研究を行っているため、国内外への出張旅費の見込額と執行額が異なった。また、同上の理由により機材の購入を一部見送ったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。具体的には、仕掛けプロトタイプの作成に用いる3Dプリンタや製作機器は帰国後に購入する予定である。また、予定していた国内出張も帰国後に行う予定である。
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[Book] 共立出版2012
Author(s)
石田基広,金明哲(編)
Total Pages
242ページ
Publisher
コーパスとテキストマイニング
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