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2014 Fiscal Year Research-status Report

1930年代から50年代の米国で制作された世界地図のデザイン傾向とその社会的意味

Research Project

Project/Area Number 24603013
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

伊原 久裕  九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20193633)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords地図デザイン / 情報デザイン / アメリカ / 1930年~50年 / 航空時代
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度は、次の2点の解明を目的とした調査を実施した。1)1943年7月~10月にニューヨーク近代美術館で開催されたハーバート・バイヤーの展示デザインで地図をテーマとした展覧会《Airways to peace》の全体構成。2)工業デザイナー、ノーマン・ベル・ゲデス(Norman Bel Geddes)のBatlrama、レリーフマップ、戦場模型写真作品等、地図デザインに関係する業績の概要。
そのために平成26年9月に米国マイアミのウルフソニアン美術館で開催されたゲデスの展覧会を実地調査、合わせて同附属図書館でゲデスに関する資料を収集した。次にニューヨーク近代美術館のアーカイヴを訪問し、《Airways to peace》展、ならびにゲデスの戦場模型写真を用いた展覧会《戦場模型写真展》に関する資料調査を行った。
その結果、以下の知見が得られた。展覧会《Airways to peace》については、同展覧会の出品リスト、会場写真の構成を確認した。その結果、この展覧会が戦意高揚を目的としたプロパガンダ展覧会でありながら、R.E.ハリソンを始めとしたこの時期の地図デザインの新しい傾向を担う作品が一堂に会する地図をテーマとした重要な展覧会であったことが認識できた。
ゲデスの地図デザインに関する業績については、ウルフソニアン美術館での調査後に、改めて平成27年3月にテキサス大学オースチン校、ハリー・ランソン・人文科学センターのノーマン・ベル・ゲデスアーカイヴを訪問し、関連資料の調査収集を追加で実施した。その結果、ゲデスの事業のうち、Batlramaは当初から地図としての開発が念頭に置かれていたこと、ならびに戦場模型写真が雑誌ライフが求めるドキュメンタリー写真が有する迫真性と地図が有する客観的情報性の両面を兼ね備えた独創的な手法として利用されていたことが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1930年代から50年代のアメリカの地図デザインの全体的傾向を把握するという本研究の目的に関しては、現在の時点で、以下の項目についてまでは、ほぼ把握できた。
1)エディス・ハリソン、エルヴィン・ライツの仕事の全体像と地図デザインシーンへのその影響の強さ、2)一般的なジャーナリズムにおける地図デザインの展開の多様性
ほぼ予定どおりの成果であり、特に2)の解明のうち、ノーマン・ベル・ゲデスの仕事の調査によって、写真と地図、模型といった人びとの関心を惹きつけるさまざまな表現方法が探究されていた事実を知ることができたのは、大きな進展であったと考えている。

Strategy for Future Research Activity

最終年度にあたる今年度は、まず当初の課題としてあげていたハーバート・バイヤーの『世界地理アトラス』の分析が残されていることから、その解明にあたる。前年度にニューヨーク近大美術館で収集した展覧会の資料を元にこの作業を実施する予定である。次に、「縮小する世界」というテーマの掘り下げを試みる。このテーマが30年代以降の地図デザインでしばしば扱われており、しかもいくつかの異なるアプローチが見られることから、このテーマの拡がりについても調査と再検討を、特にBoggsの業績との関連から実施することとする。以上を踏まえたうえで、全体の調査、分析をまとめることで、本研究テーマである「地図デザインの傾向」について結論を導きたいと考えている。

Causes of Carryover

年度内に予定していたテキサス大学ハリー・ランソン・人文科学研究センターへの訪問を、都合により、年度をまたがり3月末から4月にかけて実施したことから、4月分の旅費が残額として発生したことによるものである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

最終年度にあたる今年度は、資料収集を続行しつつ、全体のまとめを行う。具体的には主に次の経費使用を計画している。1)テキサス大学ハリー・ランソン・人文科学研究センターへの訪問のための旅費(復路分)。2)国際会議(オーストラリア)参加のための参加費ならびに旅費。3)報告書(資料集)作成費。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 視線の劇場:ノーマン・ベル・ゲデスの戦場模型写真2015

    • Author(s)
      伊原久裕
    • Organizer
      日本映像学会西部支部
    • Place of Presentation
      九州大学
    • Year and Date
      2015-01-24

URL: 

Published: 2016-05-27  

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