2012 Fiscal Year Research-status Report
共同観賞記録にもとづくより深いコンテンツのデザイン手法
Project/Area Number |
24603019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
川嶋 稔夫 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (20152952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 健一 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (60280327)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 共同観賞 / 博物館 / 美術館 / 観賞記録 |
Research Abstract |
共同観賞のためのツールとして情報システムのプロトタイプを開発し、実展示での評価を行った.一つは、展示壁や展示ケースに陳列されている資料や美術品を対象とする共同観賞ツールで、実際の博物館において,学芸員と市民による共同観賞実験を開催し,その際におきる,観賞経路,発話,視線,手指動作などをビデオカメラとマイクロフォンにより記録するものである.対象とした展示は,市立函館博物館で企画展として開催された「函館の麦酒」展(2012.4/28~6/24)である. また,(1)に加えて(2)道立函館美術館の「蠣崎波響・夷酋列像展及び鑑賞会」(2012.8/17)において,両展で展示される図像を事前にデジタル化し,ルータで結んだ2台の計算機に保存し,観賞用ブラウザを通じて図像の全体像と細部を同期させ、両画面を比較しながら鑑賞できるようにした.(1)は一般来館者を対象とし,会期中連日,展示会場のエントランスに2台の40インチディスプレイを設置して,展示図像の見所をズームアップする自動上映方式である.(2)は,前者で用いたシステムを,「蠣崎波響・夷酋列像」函館本とブサンソン本の2シリーズを比較検証する研究者の議論にあわせてズームアップをサンプリングする作業に適用したものである.後にこの成果を展示会場で自動上映した. 一定の挙動の安定が見られたため,本プロトタイプを用いて,池坊函館中央支部50周年記念展(2012.9/9)でも自動上映を行った.こちらは,同支部の50年にわたる作品制作と発表の過程を記録した約2000点の写真を上映するもので,先の2つで得た知見を元に,40インチのディスプレイ2台を並べたタイプと,2台の液晶プロジェクタを用いて300インチ画面2つを並べたタイプの2種類を投入した. 上記の3つの事例の記録に基づいて,観賞記録を効果的に行うためのツールを設計作業を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同観賞記録については,巡回型およびセミナー型の2件の共同観賞について様式化した観賞記録方式を様式化して実験を行うことができた. (A)博物館展示を対象とする巡回型共同観賞の記録実験については,函館博物館での展示の際に実験を行うなど予定通りに計画が進み,専門家と市民の観賞の様子と発話を記録することができた.また,(B)写真映像の投影表示によるスクリーン共同観賞の記録実験についても,函館美術館において専門家による観賞実験を行うことができた. いずれの試行でも,当初解説を行っている学芸員が会をリードし「知識の伝達」形式を取るが,解説の虚をつくような形で,地域住民2名の地域の生活に根ざした実感や,各々が持っている知識を背景とした質問が発露されるのを端緒に,3人の発話がクロストーク形式に変化していく.またクロストークの段階に入ると,一方的な「知識の伝達」の流れが,相互の知識や経験を動員した協同による知識アーティファクトの構築段階に入って行き,交わされる論議の様子が激しく活性化されるなどの知見を得ることができ,予想以上の進展をみている. ただし,記録自動分析用のコンピュータへの実装が25年度にずれこんでいるため,これについては年度前半のうちに回復したい. 全体としてはおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,共同観賞記録のためのツールの設計は順調に進み,それを利用した2件の観賞記録実験も予定通り行うことができた.また,1件の応用実験も行うことができた.一方で,ツールの自動化に若干遅れがあり,そのため平成24年度補助金の一部が平成25年度に繰り越されている.ただし,これは平成24年度末までに完了した観賞実験に基づいて,平成25年度の前半には執行され,ツールの自動化が進む予定でありまったく懸念はない.平成25年度後半および26年度については,予定通りの計画執行が可能である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度では24年度に執行が間に合わなかった共同観賞記録の自動化ツールの作成のための予算執行を前半に行うとともに,平成25年度分予算によってタブレット端末を利用して再利用する追体験ツールの設計に着手する計画である.さらに,すでに研究成果がでつつあるので,これらを学会等で成果公開を進めてゆく.
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Research Products
(4 results)