2012 Fiscal Year Research-status Report
環境音を考慮したサイン音のデザインプロセスの構築と標準化への研究
Project/Area Number |
24603024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川上 央 日本大学, 芸術学部, 教授 (20307888)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スペクトル重心 / サイン音 / 調和 |
Research Abstract |
平成24年度は環境音からスペクトル重心周波数を決定するプログラムの開発と評価を行った。環境音の周波数成分を物理尺度にして、ノイズ成分としての知覚される環境音の音の高さの尺度を心理尺度として、その関係について極限法によって実験を行った。その結果、物理尺度としてのスペクトル重心周波数とピッチの関係に線形性があることが示唆された。線形性をもとに、環境音のスペクトル重心周波数からピッチを演算させるプログラムを作り、実際の環境音に演算されたピッチによるサイン音を合成し、一対比較法によって評価を行った結果、スペクトル重心から演算されたピッチによるサイン音のほうが、「環境音に調和している」という評価において得点が高いことが示唆された。このことより、環境音に音楽的に調和するサイン音の基本周波数は、環境音のピッチから決定することが調和性に富むという仮説を実証する結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環境音をシグナルとして知覚する際、音楽的な要素が重要であることが示唆された点において、研究1年目の目的は達成している。また、並行して進めている環境音に調和するサイン音生成のデバイスに関しても、組込デバイスの開発が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
このまま研究計画書通り進める。25年度は研究方法に記載した、ベイズモデルによって、環境音の生成モデルを解析し、予想モデルの構築へと進めて行く。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
環境音に適応するサイン音生成のためのデバイスを開発する。研究費の使用に関しては、組込デバイスの開発に関わるソフトウエアコーディングの人件費やデバイス開発のための実験機器の購入、研究成果発表のための旅費等に使用する。
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