2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24603027
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Research Institution | Nagoya Zokei University |
Principal Investigator |
渡邊 敏之 名古屋造形大学, 造形学部, 教授 (20387864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅昭 国立研究開発法人国立がん研究センター, その他部局等, その他 (40312144)
外山 貴彦 名古屋造形大学, 造形学部, 准教授 (80537788)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インフォームドコンセント / がん / デザイン / インフォグラフィックス / デジタルメディア / インフォメーションデザイン / 情報デザイン / 大腸がん |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究によって下記のことがわかった。【1】図や絵の描画力に個人差がある。【2】図の表現力(図として簡略化する能力)の個人差があった。【3】面談票の文字を読みやすく書く力の個人差があった。【4】説明をする順と面談票へ描いていく図の配置に個人差があった。【1】【2】を解決するために標準的な表現のイラストやアニメーションが必要で、その標準的な表現を絞り決めるために実験を行った。【3】は標準的なテキストを専門的な医師の監修のもとに用意し、それを現場で説明をする医師が適宜修正を行えるシステムをつくることで解決した。【4】説明した時系列でレイアウトしたプリントを、説明終了後に患者に渡せるようにした。【1】【2】の実験のためには、多くの種類の微妙に異なる表現のイラストが必要で制作には時間を要したが、完成したそれを用いて実験をした結果、気持ち悪さや怖さという感情をできるだけ減らし、同時にシンプルすぎて幼稚に感じる感情もできるだけ減らす、その上で図としてわかりやすい表現が、一定の幅の中にある表現であることがわかった。これは大きな成果であった。 この表現を説明用の図として用い、かつ画面に直接医師が描きこめる大腸がん患者向け説明用プログラムを開発し、ペンタブレット型パソコンと40インチ型モニター、カラープリンターによる患者面談セットと前述プログラムによるソフトウェアの組み合わせを完成させた。これによってこれまで医師の説明内容をしっかりと理解できずに自らの症状についての認知が少ない状態で治療や手術に臨んでいた可能性が高い患者の認知を上げる手助けが可能である。同時にイラストやアニメーションが用意されていることで、医師が説明用の図をゼロから描かなくてすむため説明時間を短くでき、患者の負担が減ることは大きな成果である。今後は他のがんや病気への応用と製品化も含めた社会への提供方法について検討したい。
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