2013 Fiscal Year Research-status Report
色弱に配慮した服薬安全に資する「服薬トレー」の開発研究
Project/Area Number |
24603033
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
石崎 真紀子 兵庫医療大学, 薬学部, 研究員 (20623979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 初男 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (00229311)
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Keywords | 色弱 / 錠剤 / 識別 / ユニバーサルデザイン / カラーユニバーサルデザイン |
Research Abstract |
色弱者17名を被験者として錠剤識別性評価実験を実施した.錠剤としては色彩特性に基づき黄群,黄赤群,赤群,または,混合群に分類した各5錠を,背景色としては紫 (lt22),青 (lt18),青緑 (lt14),ライトグレー (ltGy),ミディアムグレー (mGy),ダークグレー (dkGy),白 (W) の 7 色を用いた.また,評価実験では,錠剤色群または背景色をそれぞれアルファベットまたは数値により表記し,被験者が色名により不必要なイメージを持つことを排除した.既に確立した方法を用いて行った評価実験の結果をスコア化し,3要因つまり(方眼の有無:2水準)X(錠剤色群:4水準)X(背景色:7水準)に対して SPSS を用いて分散分析した.その結果,(方眼の有無)では F(1, 16) = 3.507, ns,(錠剤色群)では F (1.467, 23.466) = 11.150,MSe = 46.332, p < 0.001,(背景色)では F (2.300, 36.805) = 9.518,MSe = 9.518,p < 0.001,(方眼)X(錠剤色群)では F (3, 48) = 4.203,MSe = 1.112,p < .01,(方眼)X(背景色)では F (2.972, 47.559) = 1.733,ns,(錠剤色群)X(背景色)では F (4.220, 67.525) = 6.915,p < 0.001,(方眼)X(錠剤色群)X(背景色)では F ( 7.291, 116.662) = 1.287,ns という結果が得られた.多重比較の結果としては,赤群の錠剤が,黄赤群に対して 0.1% 水準で,黄群と混合群の錠剤に比べて 5% 水準で識別性が高かった.背景色に関しては,lt18 が lt22 と lt14 に対して5% 水準で識別性を向上し,dkGy が lt22 に対して 0.1% 水準で,lt14 および ltGy に対して 1% 水準で,W に対して 5% 水準で,有意に錠剤の識別性を向上した.現在,有為な差が観察された(方眼)X(錠剤色群)と(錠剤色群)X(背景色)についての下位検討と多重比較を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
色弱者17名を被験者とする評価実験を一部の項目を除き予定どおりに実施できたため,順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
得られた評価実験の結果,特に,(方眼)X(錠剤色群)と(錠剤色群)X(背景色)についての下位検討と多重比較を実施し,色弱者における錠剤識別性の向上に関わる(方眼)と(背景色)の効果を明らかにする.これらの効果を明らかにすることにより,さらに,(方眼)における色,線幅などの効果,(背景色)における新たな配色の効果などに対して作業仮説を立てることにより,色弱にとって,より良い服薬環境を確立するためのカラーユニバーサルデザインを平成26年度内に提案し,検証していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
色弱者を被験者とする評価実験について,実施できていない項目があったため,次年度使用額が生じた. 平成26年度に当該実験に必要な物品の購入等に使用する予定である.
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