2014 Fiscal Year Annual Research Report
色弱に配慮した服薬安全に資する「服薬トレー」の開発研究
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24603033
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
石崎 真紀子 兵庫医療大学, 薬学部, 研究員 (20623979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 初男 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (00229311)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 色弱 / 錠剤 / 識別 / ユニバーサルデザイン / カラーユニバーサルデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
色弱者17名を被験者とした錠剤識別性評価実験の結果を分析した。一般色覚者、白内障モデルと同様に、赤群の薬以外についてはダークグレー (dkGy) の評価が最も高く、他の背景色より有意に識別性が高いことが明確になった。また、赤群に対し、色弱モデルの評価では背景色ダークグレーが最も識別性が低かったことに対し、色弱協力者の評価は、ダークグレーはホワイト(W)を加えた7背景色中3位であった。色弱の人にとって、服薬トレーは、赤群の薬を識別するのに最適ではないものの、中程度の識別性は確保できると判断できた。 また、色弱協力者の評価結果では、色覚モデルと同様、背景色青(lt18)の評価がダークグレー (dkGy) の次に高い。(黄群、黄赤群、赤群で背景色青(lt18)は2位の評価)一般色覚者、白内障モデルに対して、服薬トレーは、ダークグレー (dkGy) 、次いでミディアムグレー(mGy)が最適であるが、色弱者の利用を想定すると青(lt18)を含めた3色からユーザーが個別に色覚や服用する錠剤の色に合わせて選択できることがカラーユニバーサルデザイン視点と言える。 一方、色弱モデルでは、背景に方眼があるほうが錠剤に対する識別性の評価が高かったが、色弱協力者の評価実験の解析結果は、方眼の無いほうが識別しやすいという評価であった。このことにより、「色弱者は、背景が1色より2色のほうが対象物の色が識別しやすい」という仮説は否定された。さらなる検証が必要と考える。
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