2014 Fiscal Year Annual Research Report
香り癒し効果の定量評価に関する研究(バーチャルセラピストの実現に向けて)
Project/Area Number |
24603036
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
大西 厳 広島国際大学, 心理科学部, 准教授 (40290803)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 感性生活工学 / 香り / 生体情報計測 / モデル化 / 癒し |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「香り癒し効果の定量評価に関する研究(バーチャルセラピストの実現に向けて)」を遂行するにあたり、H25年度に引き続き、H26年度も脳波以外に顕著にその特徴が出現する生体情報の獲得および被験者数の増加をおこなった。以前著者らは、アイトラッキングシステムを用いて、似顔絵の上手な人とそうでない人との特徴およびそのスキルの抽出に成功しており、上手な人ほどモデルと描画キャンバス間の1分当たりの視線の移動回数が多くなること、また描画キャンパスよりもモデルの1つ1つのパーツの注視時間が長くなることを確認した。本課題はその知見より、絵を描くスキルを持つ被験者10名(20~24歳の大学生:男子6名、女子4名)に対して、1)無臭、2)レモンの香り提示する、3)ペパーミントの香りを提示する、それぞれ3つの状態において、似顔絵を描くときの視線の注視座標および変化を計測し、そのときの1分当たりの視線の移動回数の違いについて分析した。その結果、レモンの香りおよびペパーミントの香りを提示したときのほうが僅かではあるが、モデルとキャンバス間の1分当たりの視線の移動回数が増加することを確認した。このときの脳波の状態(α波、β波およびその構成比と各部位の相関)は、いずれもあまり差がない(3つの状態において適度にリラックスしながら集中して作業している)ことがわかった。よって、1分当たりの視線移動数を用いて新しい指標を抽出することにより、従来の脳波計測では抽出できなかった僅かな集中度合いの増加・減少を数値化できる可能性を見出した。またレモンやペパーミントの香りが、集中を高める効果があることを客観的に示すことに成功した。これらの成果は、「注視点計測によるレモンとペパーミントの芳香効果についての検討」大西厳、第16回日本感性工学会大会・中央大学、(2014.9)などにおいて公表している。
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Research Products
(2 results)