2013 Fiscal Year Research-status Report
有彩色によるVDT画面が作業効率と生理的心理的反応に及ぼす影響
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24603037
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Research Institution | Nagasaki Wesleyan University |
Principal Investigator |
片山 徹也 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 准教授 (00612805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄山 茂子 長崎県立大学, 国際情報学部, 教授 (40259700)
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 研究員 (50095907)
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Keywords | VDT / 作業効率 / 疲労 / 有彩色 |
Research Abstract |
本研究は、平成24年度より3ヵ年の研究計画に基づき現在遂行中である。本研究の目的は、有彩色によるVDT画面を用いて作業効率の向上と疲労軽減に有効な配色条件を明示することである。 平成24年度に実施した大学生を対象とするVDT作業実験結果に基づき、平成25年度は測定・収集したデータを分析し、考察結果を学会発表及び論文稿として公表した。背景色を青色相とする陽画表示画面では、30分間のVDT作業の結果、文字色と背景色の明度差が最も小さい配色の誤入力率は他の7配色より有意に高かった。しかし、文字色と背景色のコントラスト比が国際基準に適合しない配色を含む7配色間の作業量及び誤入力率に有意差はみられなかった。全8配色で作業後のCFF値が有意に低下し、国際基準に適合する3配色のうち背景色の明度が高い2配色で作業後の心拍数が有意な高値を示した。文字色と背景色の明度差が小さい配色ほど主観的疲労感は高くなる傾向が認められた。 上記の研究成果は、平成25年6月、日本生理人類学会第68回大会(於:金沢大学)、平成25年11月、人間-生活環境系学会第37回人間-生活環境系シンポジウム(於:神戸大学)にて発表した。また、「青色相を背景色にした陽画表示画面がVDT作業効率と疲労に及ぼす影響」と題して人間-生活環境系学会誌「人間と生活環境」に投稿し、受理された(受理日:平成25年12月10日、平成26年5月発行予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3カ年の研究実施計画に基づき、2年目にあたる平成25年度は研究成果の一部公表を主たる研究活動と設定し、当該年度の遂行目的は達成できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、VDT画面の背景色として陰画表示における青色相の他、赤色相と緑色相を加えた調査の分析結果についても、学会発表及び論文投稿を行う。これまでの研究成果を踏まえ、有彩色の背景を用いたVDT画面において、作業効率を向上させ、身体的疲労度や心理的負担を軽減する色彩条件を導出するとともに、VDT作業における快適な視環境整備のための推奨条件を明示する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度研究費については、光源色としてのVDT表示色を明度・彩度を測定するために色彩輝度計、VDT画面に対する利用者の反応時間を測定するためにタキストスコープ等の機器が必要となるため。また、研究成果の発表として、各関係学会において発表するための旅費交通費が必要となるため。 物品費として色彩輝度計、タキストスコープ等の購入を計画している。その他、旅費として、日本生理人類学会、人間生活環境系学会等において発表するための交通費・宿泊費等を主な支出として予定している。
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Research Products
(3 results)