2014 Fiscal Year Annual Research Report
有彩色によるVDT画面が作業効率と生理的心理的反応に及ぼす影響
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24603037
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Research Institution | Nagasaki Wesleyan University |
Principal Investigator |
片山 徹也 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 准教授 (00612805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄山 茂子 長崎県立大学, 国際情報学部, 教授 (40259700)
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 名誉教授 (50095907)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | VDT / 作業効率 / 疲労 / 青色相背景 / 表示モード |
Outline of Annual Research Achievements |
社会の高度情報化によりVDT(視覚表示端末)を利用する機会が増加し、VDT症候群やIT眼症等の増加が報告されている。そこで、本研究では、青色相の背景色に対して文字色を黒とする陽画表示画面8配色と文字色を白とする陰画表示画面8配色を用い、明度及び彩度が異なる背景色によるVDT画面が作業効率と生理的心理的反応に及ぼす影響について検討することを目的とした。 女子大学生16名を対象とする30分間のVDT作業の結果、陽画表示では、文字色と背景色の明度差が最も小さい配色の誤入力率は他の7配色より有意に高かった。しかし、文字色と背景色のコントラスト比が国際基準に適合しない配色を含む7配色間の作業量及び誤入力率に有意差はみられなかった。全8配色で作業後のCFF値が有意に低下し、国際基準に適合する3配色のうち背景色の明度が高い2配色で作業後の心拍数が有意な高値を示した。文字色と背景色の明度差が小さい配色ほど主観的疲労感は高くなる傾向が認められた。 陰画表示では、作業量及び誤入力率について8配色間に有意差はみられなかった。8配色のうち2配色において作業後の収縮期血圧及び心拍数が有意に高く、6配色において作業後のCFF値が有意に低かった。画面に対する見やすさや読みやすさの機能性に関する印象評価では、文字色と背景色の明度差が大きいほど機能性の評価が高かった。文字色と背景色のコントラスト比が国際基準WCAG 2.0に適合する配色においても、生理的疲労及び主観的疲労感に影響を及ぼす場合が確認された。文字色と背景色のコントラストが確保された配色の場合、文字色と背景色の彩度差が小さい配色ほど、疲労感を軽減する傾向がみられた。 今後、作業効率を向上させ、身体的疲労度や心理的負担を軽減するためのVDT画面の色彩設計に本研究成果を活用することで、VDT作業における快適な視環境整備が推進できると考えられる。
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Research Products
(2 results)