2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24611004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 繁 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (90143403)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ホスピタリティ・デザイン / ホスピタリティ表現 / 観光地整備 / 活性化 |
Research Abstract |
集客につながる観光地の魅力が国宝や世界遺産、国立公園などの「資源」を主とするのであれば、資源はすぐに作れるものではないので、多くの疲弊している観光地はなかなか活性化できないということになる。しかしよく観察していると、多く集客している観光地では、道路などの公共空間でも店舗などの商業施設でも、人を誘いもてなす表現、つまり、ホスピタリティ表現が多いことに気が付く。観光地の魅力がこの「ホスピタリティ表現の量と質」でも決まるとすると、これは資源と違いすぐにもどこにでも作れるので、観光地の活性化ツールとして有効といえる。そこで本研究は、「ホスピタリティを表現することを目指したデザイン」をホスピタリティ・デザインと定義して、ホスピタリティ・デザインを観光地整備に使えるように整理しようとするものである。 本年度は、京都、金沢、伊勢などの多客観光地と利用者の少ない観光地とを現地調査し、ホスピタリティ表現とその対極の反ホスピタリティ表現の事例を収集した。収集した事例は、大きく公共空間と沿道商業施設とに分けて、それぞれについてホスピタリティの具体的内容とその表現形を型として整理した。商業施設では「どうぞお入りください」と人を店内に誘うホスピタリティとその表現形として「入口開口型」、「入口ハの字構成型」「正面商品棚型」など、対極の「入ってくるな」という反ホスピタリティとその表現形として「入口閉口型」、「正面通路型」など。公共空間では、車よりも人を大事にするホスピタリティとその表現形として「休憩スペース自己領域形成型」、「休憩スペース中央設置型」、「図構成舗装型」など、さまざまなものが整理できつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では、ホスピタリティ表現の型整理と同時並行でホスピタリティ・デザインの整理をおこなうこととしていたが、ホスピタリティ表現の型整理をじゅうぶんおこなってある程度体系化した後の方が、デザインの整理がスムーズに行くと途中で考えるようになった。そこで、初年次はデザインを意識しながらもホスピタリティ表現の整理を中心におこなった。ホスピタリティ・デザインの整理は2年次におこなう予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、事例の補足的収集、ホスピタリティ表現の型の整理体系化、ホスピタリティ表現を実現するためのホスピタリティ・デザインの要点の整理等をおこなっていき、最終的に観光地の活性化に役立つ形で研究成果を取りまとめる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度分26万円強を使わなかったが、事例収集旅行(3人)のタイミングが合わず次年度に廻したため、旅費賃金が余ったものである。 次年度はその旅行をおこない、事例収集をほぼ終える予定である。
|