2012 Fiscal Year Research-status Report
EUにおけるソーシャル・ツーリズムの現代的展開と政策的支援に関する研究
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24611007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
岡 達哉 大分大学, 経済学部, 客員研究員 (40572110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 基浩 和歌山大学, 経済学部, 教授 (30283948)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / EU / 観光政策 / ソーシャル・ツーリズム |
Research Abstract |
本年度に実施した研究実績の概要は以下のとおりである。第一に、欧州連合(European Union;EU)において進められているソーシャル・ツーリズム、アクセシブル・ツーリズムをはじめとするオルタナティブな観光の諸形態について、国際的連携も含めた多様な推進の現状と、主に欧州諸国における観光政策・プランニングの基本的発想として見受けられる観光をめぐる権利性及び倫理に関する理念・哲学及びそれを担保する制度的枠組みについて、主に海外の先行研究を対象とする広範なサーベイを行い、本研究の基盤に係る構築と研究を段階的に進めるに当たっての理論的な補強を行った。並行して、EU諸国が近年、密接に連携しながら実践的な調査研究を進めている観光プロジェクトの概要、背景、進捗状況及び現時点で得られる成果について、海外の研究協力者からの示唆を得ながら情報収集を進め、主にソーシャル・ツーリズムに関するそれぞれの国毎の背景、課題等に関する主要な論点を抽出した。第三に、海外事例の把握を進めるため、英国グリニッジ大学ビジネススクール上級講師(観光・地域再生専門)兼同大学経済発展資源センター所長を務めるジェームズ・ケンネル博士 (Director, Economic Development Resource Centre; Senior Lecturer in Tourism and Regeneration, University of Greenwich Business School) の協力を得て、主に英国及びフランスにおけるソーシャル・ツーリズムの推進状況、推進団体及び今後の課題に関する聞き取り調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の「年次計画」において本年度の作業予定として定めたとおり、研究者間の適切な役割分担のもと、研究課題に関連した主として海外文献を中心とする各種の史料分析調査を進めると同時に、研究目的に係る現地調査を主にエリート・インタビューの手法により実施しており、初年度の文献調査、情報収集及び海外現地調査については所期の目的が達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の海外現地調査について、海外の研究協力者との調整の結果、当該協力者のスケジュールを踏まえて本研究の共同研究者間で海外調査のタイミングをずらすとともに情報収集対象者を広げて実施したところであり、共同研究者1名分に相当する海外旅費については翌年度に持ち越すこととなった。翌年度においては、前年度の調査研究結果について研究者間での役割分担のもと中間段階でのとりまとめを進めた上で、研究の中間成果に係る確認に向けたディスカッションを行うための海外研究協力者の旅費を計上しており、入念な調整のもと、年度後半にその機会の実現が見込まれている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画に従い、次年度は研究テーマに関連する学術著書、各種論文等参考文献についての入手及び分析を引き続き着実に進めるとともに、国内共同研究者との研究会議を設けて研究の進捗を踏まえた中間成果のとりまとめに着手する。さらに、海外研究協力者との意見交換の機会を設け、専門的知識の提供を受けると同時に、中間成果の進捗如何に応じてその段階的な発表についても検討することとなる。海外研究協力者から得られることが期待される貴重な情報と示唆をもとに、さらなる資料の入手による文献調査の拡充が必要となるのか、あるいは追加的な海外調査を行う必要性が生じるのかを見極めたうえで、次年度使用予定研究費についても適切な執行を図ることとしている。
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