2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24611031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
李 良姫 東亜大学, 人間科学部, 准教授 (30545421)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 祭りの再生 / 観光資源化 / 地域活性化 / 伝統文化の変容 |
Research Abstract |
●研究内容:日韓において以下の内容の研究を行った。 ◇現地調査1.韓国:「ハムピョン蝶々祭り」:祭の開催による地域活性化と課題②韓国「釜山海雲台砂祭り」:都市リゾート地で新しく創られた祭りの観光資源化③「麗水世界博覧会」:国を挙げた開催により集客には成功したが、経費、跡地利用など問題が浮き彫りになった博覧会④「釜山ビエンナーレ」:市民、著名作家などの作品の芸術展示会⑤「釜山クリスマス、年送り・初日の出などのイベント」:クリスマスや年末年始のイベント化◇現地調査2.日本:①「福岡祇園山笠」:歴史ある大規模の都市祭り②「安心院ワイン祭り」:食をテーマにした祭りの観光資源化③「長門赤坂神社祭り」:伝統の継承と観光化の課題④「生國魂神社彦八祭り」:芸人の街の大阪ならではの、芸を活用した祭り⑤「藤井寺市道明寺天満宮八朔祭り:祭りの子供相撲からみる伝統文化の変容⑥「下関馬関祭り」:市民参加及び国際交流型祭り⑦「リトル釜山フェスタ」:異文化体験・国際交流(日韓)・留学生の地域交流の場の提供⑧「大貞八幡宮薦神社仲秋祭奉納相撲」:伝統祭りにおける子供の参加の変容⑨「福岡県太宰府天満宮の古式献饌祭」:伝統祭りと芸能⑩「西条酒まつり」:祭り出店者の祭り参加に関する意識⑪「一の宮町住吉神社神嘗祭」:伝統祭りの地域住民の参加意識の変容⑫「安芸高田市神楽門前湯治村神楽ドーム公演」:伝統文化の観光資源化及び祭りの劇場化⑬「博多ライトアップウォーク」:祭り出店者の祭り参加への意識⑭「高千穂町観光神楽及び南郷区師走祭り」:伝統文化の観光化過程及び課題 ●意義・重要性 ◇発信①学会発表②研究会発表③地域発信◇意義:①日韓において現地調査及び文献調査を行い、両国の祭りの再生の背景とプロセスについて解明。②その結果を、発表・発信◇重要性:①祭りの日韓比較を通して社会をみることができる。②観光政策に提言できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
●理由:以下の理由から研究がおおむね順調に進んでいるといえる。 ◇研究目的:日韓両国の現地調査及び文献調査を行い、祭りの衰退と再生のプロセスを解明する。その上、祭りの観光資源化について観光学的な理解を深め、観光活性化政策に提言を行う研究目的を基に研究が順調に進んでいる。◇明らかにできたこと:①伝統文化が変容をしながら再生、維持されている。②日韓両国とも地域活性化や観光活性化のための祭りの開催に積極的に力を入れている。③日本は伝統を重視しながら祭りが維持されているが、韓国は伝統より地域活性化や観光集客の目的が強く新たな祭りが創造され再生されている。④祭りの主体においては、住民主導型の日本と行政主導型の韓国であることがみられた。などが明らかにできた。◇現地調査(韓国):済州島で開催されている祭り以外の予定していた韓国の祭りの現地調査がほとんど達成できた。◇現地調査(日本):東北仙台で開催されている祭り以外に予定していたほとんどの祭りの調査が完了した。日本においては、予定より多くの祭りを調査することができた。◇聞き取り:韓国全羅南道及び釜山市で、祭りの変容についてインタビューした。◇文献:韓国国立中央図書館などの祭り関連資料を収集した。◇資料整理:調査内容を画像・映像の収録、関係者のインタビュー内容の記録、文献の収集を行なうことができた。◇発信①学会発表:日本地域政策学会及び日本地域資源開発経済学会で発表した。②研究会発表:「大学生の祭り参加による地域貢献と国際交流」のテーマで研究会を開催し、「大学生の海外祭り運営による日本文化紹介及び国際交流」のタイトルで発表をした。③地域発信:地域公開講座下関学で「下関観光の国際化」というタイトルで講演を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
●現地調査:今までの現地調査をふまえた上で、今後はより計画的かつ効果的に調査を行う。また、日韓の現地調査に加え、台湾の祭りを調査することにより、祭りの観光資源化の背景と過程について東アジアも視野に入れた研究調査を行う。加えて、韓国においては歴史ある伝統的な祭りをより多く調査し、伝統的な祭りの観光資源化のプロセスについてその背景及び過程について分析を行う。また、当該年度は現地調査が主で学会発表及び論文掲載が不十分であった。しかし、今後は今までの調査及び今後の調査結果をまとめた上で、学会等で積極的に発信していく。今後、予定している調査は、以下の通りである。①江陵端午祭②東海岸豊漁祭り③珍島慰霊祭り④台湾アミ族祭り⑤広島安芸高田市神楽⑥大阪天神祭り⑦長崎くんち⑧チャガルチ祭り⑨南道食文化祭り⑩天安興打令祭り⑪済州島小正月野火祭・松堂里村祭り⑫札幌よさこいソーラン祭り⑬京都祇園祭り⑭有田陶器市⑮イチョン陶磁器祭り⑯百済文化祭り●聞き取り調査:日本植民地時期を経験した韓国人を対象に当時の祭り開催の現況をインタビューする。高齢であることが予想されるので時期を急ぐ。さらに、インタビュー数の増加と結果のまとめと分析を行う。●文献調査:日韓における関連資料の収集とまとめと分析を行う。●資料整理:現地調査や関係者のインタビュー、文献を整理、記録し、調査内容を分析する。●研究成果の発信:学会、地域発信、ニュースレターなどより積極的に研究成果を公開、情報発信する。●中間報告(写真・映像の公開)を行う。●研究成果の総括:韓国と日本の祭りの衰退と再生のプロセスを解明する。さらに、目的に基づいて意義ある研究成果が出せるよう調査、分析に一層努力する。●調査結果をまとめた報告書を作成し、有意義な研究成果が発信できるよう努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
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Research Products
(3 results)