2015 Fiscal Year Annual Research Report
地域の景観を観光資源とした持続的なまちづくりに関する研究
Project/Area Number |
24611032
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Research Institution | Kurume Institute of Technology |
Principal Investigator |
大森 洋子 久留米工業大学, 工学部, 教授 (30290828)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 着地型観光 / 伝統工芸 / 伝統職人 / 八女市 / 体験プログラム / 地場産品 |
Outline of Annual Research Achievements |
八女市は平成22年に周辺町村と合併し福岡県内でも2番目の面積を有する市となった。しかし年々人口が減少し、市は地域活性化のために観光を模索してきた。豊かな自然に囲まれ、伝統文化が残る市内には、提灯・仏壇・和紙・和独楽などの伝統工芸や、豊富な食材及びその加工品が存在する。それら八女の暮らしの中で育まれてきたものを来訪者が体験し、魅力を知ってもらい八女ファンを増やすことを目的に平成25年より着地型観光に取り組んでいる。この取り組みの経緯と効果や課題を明らかにすることを目的に調査・分析を実施した。その結果から以下のことが分かった。 ①平成21年から観光振興課の職員が、伝統工芸や伝統建築に関わる職人、ものづくりをしている技術者や作家、農業生産者や加工品づくりをしている住民等の人材捜し行い、その結果108名と面談し、人材リストを作成した。その後体験プログラムの内容や実施時期を検討し、現地集合の着地型観光である14の体験プログラムを25年3月に実施した。同年秋には19プログラムを、26年秋には19プログラム、27年秋には24プログラムを実施している。 ②八女市の自然、伝統工芸、農産物を活かした着地型観光は満足度が高くリピーターも多い。体験内容とともに地元住民と交流できることも満足度を高くしている。八女の観光資源を広く宣伝し、八女ファンを増やす効果を果たしている。 ③観光客は年配者が多いが、体験型観光には幅広い年齢層の人が訪れている。八女の魅力を伝える重要な手段である。これを契機に八女市内に移住した人もいる。 ④課題としては先ず宣伝方法があげられる。口コミで観光情報が広がってはいるが、県外からの参加者は少ない。県外へも八女の魅力を伝える宣伝方法を開発する必要がある。次に男性の参加者が少ないことがあげられる。男性が魅力を感じる体験内容や、仕事を持つ世代も参加しやすい日程を組む等の検討が必要である。
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