2013 Fiscal Year Research-status Report
旅行者の心的コンテキストに基づく観光情報推薦に関する研究
Project/Area Number |
24611035
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
相原 健郎 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授 (90300706)
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Keywords | コンテキスト・アウェア / 観光情報 / 情報推薦 / ユーザインタフェース |
Research Abstract |
本研究は、旅行者を対象とした情報推薦のための解析・推定手法の提案と、それを適用した実証サービスによる検証を行うものである。愛媛・松山という実際の観光地を対象に、実証的に研究を推進する。 平成25年度は、利用者からのデータ収集等による調査・検討を実施した。まず、別途開発を進めた実証サービス「旅韻」および「スイーツパスポート」を利用し、継続的に利用者データを収集するサービスの運用を実施した。 また、サービス利用時における利用者の考えや要望等をコンテキスト情報とともに取得する調査を実施した。調査は、現地で平成26年1月に実施し、8名の利用者からデータを収集した。両実証サービスには、利用者の位置情報をバックグラウンドで取得し、収集する機能が実装されており、街なかでの移動を記録することが可能なため、これを利用した。また、心拍センサを装着してもらい、心拍数を取得することで、リラックス度等の身体状態を取得出来るかを試行した。さらに、街を歩きながら感じたことを発話して録音することを依頼した。その結果、ユーザの行動ログは取得できた一方、街なかでの声はほとんど取れず(発話してもらえず)、「疲れた」等の一部利用可能なデータは取れたものの、データ収集に課題が残った。 また、これは平成24年度調査での「地域コンテンツは足りている」という地域での認識とは異なることから、「旅行者等が求めるような地域コンテンツは、実際には足りないのではないか」という議論が行われた。この、地域側と来訪者側との認識のミスマッチは、旅行者の心的コンテキストを捉える上では重要な視点となった。 平成26年度は、これらから得られた知見を元に、実証サービスにコンテキスト推定結果を反映させるシステムを開発し、実証実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的には計画通り、進展している。 既存のシステムを利用しすることで、効率的な実証ツールの開発が実現された。また、安定的にシステムが運用されたことも確認できた。 予備的な調査にて、ユーザの要望等のデータが期待したほど収集できなかったが、調査手法を修正することで、平成26年度実証実験で対応できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、継続的な運用による本実験を実施する。この際、利用者が比較的多いプラットフォームのスマートフォンなどでも利用可能とするように、携帯端末の対象対応を広げる。参加者規模は百人以上を想定する。参加者の中から個別にアンケート調査を実施する。実験は、愛媛・松山を主に行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実証実験で使用する物品の調達を抑え、また、平成26年度に実施する実証実験により注力することで研究が効果的に実施できると判断したために、物品費および人件費・謝金等の支出を抑制し、平成26年度に使用することとした。 実証実験を行う松山への旅費として使用する。 また、実証実験での調査にかかる謝金等を支出する。
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