2012 Fiscal Year Research-status Report
新規高性能試料濃縮針を応用した次世代精密室内空気環境計測技術の開発
Project/Area Number |
24612002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
植田 郁生 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (50598688)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 針型抽出デバイス / 試料濃縮 / ガスクロマトグラフィー / 揮発性有機化合物 / 室内空気環境測定 |
Research Abstract |
研究初年度に当たる平成24年度は、標準的な試料採取法で示されている方法においても、空気中の微量の揮発性有機化合物(VOCs)を高効率に捕集することが可能な新規抽出針の開発を行った。そして、新規開発した抽出針のVOCsに対する抽出・脱着性能や保存性能等について、詳細に検討を行った。具体的には、メタクリル酸系のポリマー粒子、Tenax、ジビニルベンゼン粒子および種々の活性炭粒子について、VOCsに対する抽出・脱着性能を比較し、また、これら吸着剤を組み合わせる2層式の抽出媒体についても検討を行った。その結果、抽出針の先端にジビニルベンゼン粒子、その後方に活性炭粒子を充填した2層型の抽出針において、優れた抽出・脱着性能が得られた。更に、開発した抽出針を用いる新規空気環境測定法を用いて、実際の新築ビル内の空気環境測定を行い、従来法による測定結果と比較・検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画では、空気環境中の微量VOCsを高効率に抽出する新規媒体の開発およびその抽出媒体を充填した新規抽出針の開発であった。しかし、実際には、上述した新規抽出針の開発に成功したのみならず、その抽出針の各種VOCsに対する抽出・脱着性能の詳細な評価や保存性能についても検討を行った。さらに、実際の新築ビルの空気を用いて空気環境中のVOCsの測定を行い、その定量結果を従来法による定量結果と比較することも行ってきており、2年目以降に計画していた研究内容を前倒しして実施することに成功している。 これまでに、開発した新規2層型抽出針の標準試料中のVOCsに対する、優れた抽出・脱着性能を確認しており、また、実試料中のVOCsの抽出の際も標準試料同様に高い性能を確認してきていることから、空気中の湿度等の影響を受けることなく、再現性が高い分析が可能であることが確認されてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した針型抽出デバイスを用いる新規空気環境測定法を、新築の住宅やオフィスの空気環境測定に応用することが可能であることを確認する。また、本法を学校施設内においてVOCsによって健康被害を被る、いわゆるシックスクール問題の評価にも応用を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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