2013 Fiscal Year Research-status Report
マウス細胞初期化過程における遺伝子空間配置のエピジェネティクス制御への関与
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24613003
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
田辺 秀之 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (50261178)
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Keywords | 染色体テリトリー / 核内配置 / 3D-FISH法 / リプログラミング |
Research Abstract |
本研究では、マウス細胞初期化過程における関連遺伝子領域とその遺伝子産物がどのようなゲノム動態・空間配置を示すのかを明らかにし、エピジェネティクス制御の仕組みを遺伝子ポジショニングの視点から探ることを目指している。マウスiPS細胞形成過程に関連するOct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc、Nanogの各遺伝子領域(17B1、3A3、4B3、15D1、6F2)に由来するBACクローンDNAを選定し、それぞれの遺伝子が存在する染色体テリトリー領域(17、3、4、15、6番染色体)のペインティングプローブと組み合わせて、マウスメタフェイズ染色体上でのFISHシグナルの検出条件の検討および染色体マップの確認を行った。連携研究者の三谷教授の協力の下、すでに収集を済ませたマウス卵細胞(未受精卵)、マウス受精卵(受精直後)、2細胞期、4細胞期、8細胞期、モルラー細胞期のサンプルについて、シングルセルレベルで注意深く取り扱いながら3次元構造を維持した固定法を施し、3D-FISH法に適用するための細胞核標本を作製した。これらの一部を用いて、3D-FISHシグナルの検出条件の検討、並びに5-メチルシトシン(5mC)抗体および5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)抗体を用いた蛍光免疫染色を進めた。今後、より良好なシグナルを得るための手技的な開発をベースとして進め、細胞初期化に伴うゲノム動態・遺伝子空間配置の特性を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスiPS細胞の樹立実験とiPS細胞形成前後での細胞標本の作成が達成できていないこと、および良好な3D-FISHシグナルの検出条件の手技的な開発が必要であること。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞材料として、すでにマウス繊維芽細胞、マウスES細胞、マウス卵細胞(未受精卵)、マウス受精卵(受精直後)、2細胞期、4細胞期、8細胞期、モルラー細胞期における細胞核標本を作製済みであるが、より新鮮なサンプルを追加しつつ、順次、3D-FISH法による遺伝子空間配置解析を進める。マウスiPS細胞の樹立実験とiPS細胞形成前後での細胞標本の作成も並行して進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費のうち、実験消耗品の値引き等により残額が生じた。 物品費として加算して使用したい。
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