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2014 Fiscal Year Research-status Report

クロマチン制御因子による神経幹細胞の維持機構に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24613006
Research InstitutionJichi Medical University

Principal Investigator

冨永 薫  自治医科大学, 医学部, 准教授 (20265242)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywordsエピジェネティクス / クロマチン / 神経幹細胞 / ヒストンアセチル化 / 細胞増殖 / 遺伝子発現 / マウスモデル
Outline of Annual Research Achievements

エピジェネティックな調節機構を介したクロマチン制御は種々の細胞機能に重要であり、神経幹細胞の自己複製能や多分化能の維持にも重要である。本研究では、神経幹細胞の自己複製および神経分化におけるヒストンアセチル化の役割を明らかにすることを目的とする。神経系で高い発現が認められるが、神経系でのその役割が明らかとなっていないTip60ヒストンアセチル化酵素及びその酵素複合体の構成成分であるクロマチン制御因子MRG15欠損マウスを用いた機能解析を行い、神経幹細胞におけるヒストンアセチル化の分子機構を明らかにする。当該年度は以下のことを行い、神経幹/前駆細胞でのクロマチン制御因子の重要性を示した。
1、ニューロスフェアー法で細胞を増幅された細胞のRNA解析により、インテグリンβ1などがMRG15により調節を受ける遺伝子の候補として同定された。
2、ニューロスフェアー法で解析した結果、神経幹細胞特異的Mrg15欠損マウスの神経幹/前駆細胞の数はコントロールに比べ減少していることが示唆された。
3、C57BL/6Jマウスラインへバッククロスされた神経幹細胞特異的Mrg15欠損マウスの加齢にともなう体重変化を追跡調査したところ、20週齢前後まで優位なMrg15欠損マウスの体重減少が認められた。この体重減少はオスで特に顕著だった。
4、条件付きTip60ヒストンアセチル化酵素欠損マウスを作製するために、ノックアウトベクターを構築し、胚性幹細胞のスクリーニングを行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までの研究目的は、おおむね順調に進展している。神経幹細胞特異的なMrg15欠損マウスの体重はコントロールに比べ明らかに小さく、20週齢程度まで優位な差が認められた。神経幹細胞特異的Mrg15欠損マウスから分離した神経幹/前駆細胞をニューロスフェアー法で解析した結果、MRG15が神経幹/前駆細胞の維持に重要であることが明らかなった。神経幹/前駆細胞の維持機構の破綻により体重調節機構が影響されたと考えられた。C57BL/6Jマウスへのバッククロスの必要性から研究の進展はやや遅れたが、それ以外は順調に進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

今後、以下について研究を進める予定である。
1、Mrg15欠損神経幹細胞の遺伝子発現変化:神経幹細胞特異的Mrg15欠損マウス及びコントロールマウス脳組織より神経幹細胞を分離し、ニューロスフェアー法で細胞を増幅する。増幅された細胞よりRNAを抽出し、cDNAを作成後、リアルタイムPCRにより遺伝子発現を解析する。インテグリンβ1などのMRG15により調節を受ける遺伝子候補の発現を解析する。
2、ChIPアッセイ法による解析:Mrg15欠損神経幹細胞で発現に違いが見られた遺伝子が、MRG15の直接のターゲットであるかどうか検討するために、ChIPアッセイ法による解析を行なう。野生型マウス脳組織よりニューロスフェアー法で増幅した神経幹細胞を用いる。ChIPアッセイに使用可能であることが解っているウサギ抗MRG15抗体を用い、ターゲット遺伝子候補のプロモター領域をリアルタイムPCRにより増幅し、定量する。
3、体重調節機構の解析:神経幹細胞特異的Mrg15欠損マウスはコントロールマウスに比べ体が明らかに小さいことから、神経系におけるMRG15は、体重調節に重要な役割を担っていると考えられる。IGF1、成長因子、FGF21などの体重調節に重要な因子の血中濃度を径時的に調べる。また、血中グルコース濃度や耐糖能を径時的に調べる。
5、MRG15と複合体を形成するTip60ヒストンアセチル化酵素の神経幹細胞特異的欠損マウスを作製するために、条件付きTip60ヒストンアセチル化酵素欠損マウスラインを作製中である。神経幹細胞特異的Tip60ヒストンアセチル化酵素欠損マウスと神経幹細胞特異的Mrg15欠損マウスの表現型と比較検討し、酵素複合体中のサブユニットの機能を明らかにする。

Causes of Carryover

本研究に使用している変異マウスは、予想に反して体重が著しく減少していた。そのため、この変異マウスとコントロールマウスの加齢にともなう体重変化を追跡調査する必要性が生じ、解析にやや遅れが生じた。未使用額が生じたため、費用の繰り越しをした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は、以下の様に助成金を使用予定である。
1、消耗品(416千円):経費の主要用途は消耗品の購入で、細胞培養試薬(培地、血清、成長因子など、100千円)、生化学・分子生物学用試薬(成長因子等測定用ELISAキット、酵素、抗体、PCRプライマー、キット、化学試薬など、216千円)、細胞培養器具(フラスコ、プレート、ピペット、チューブ、チップなどのプラスティック類、100千円)の購入が必要とされる。2、実験動物、マウス維持費として100千円。3、学会発表などで研究成果を報告するために必要な出張旅費として100千円。4、論文を誌上発表するために必要な経費として論文投稿費用(50千円)・論文校正費(50千円)。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] The emerging role of senescent cells in tissue homeostasis and pathophysiology.2015

    • Author(s)
      Tominaga, K.
    • Journal Title

      Pathobiol Aging Age Relat Dis.

      Volume: 5 Pages: In press

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Rapid selection of XO embryonic stem cells using Y chromosome-linked GFP transgenic mice.2014

    • Author(s)
      Yamamoto, S., Nagao, Y., Kuroiwa, K., Hakamata, Y., Ichida, M., Saito-Ohara, F., Tominaga, K., and Endo, H.
    • Journal Title

      Transgenic Res.

      Volume: 23 Pages: 757-765

    • DOI

      10.1007/s11248-014-9813-0

    • Peer Reviewed
  • [Remarks] 自治医科大学医学部生化学講座機能生化学部門ホームページ

    • URL

      http://www.jichi.ac.jp/biochem/kinou/

URL: 

Published: 2016-05-27  

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