2012 Fiscal Year Research-status Report
食物過剰摂取行動の習慣化と再発に関わる脳の強化学習システムの解明
Project/Area Number |
24614006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八十島 安伸 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (00273566)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 過剰摂取行動 / 高嗜好性飲食物 / 脳学習機構 / 脳内報酬系 |
Research Abstract |
高ショ糖含有食物などの高嗜好性飲食物を過剰摂取する行動において、強化学習に関わる脳システムがどのような関与をするのかを明らかとすることが目的である。具体的には、マウスにおいて、脳内報酬系の一部であり、強化学習に関わる側坐核や、オペラント行動に関わる線条体、報酬価値の判断に関わるとされる扁桃体を局所破壊すると、行動訓練によって形成される過剰摂取行動がどのように影響されるかを明らかとすることである。研究初年度である本年度は、側坐核等の破壊方法の検討を行った。先ず、破壊が脳局所に限局するように興奮性神経毒であるカイニン酸を電気泳動的に微量投与し、側坐核や扁桃体の局所破壊の効果を調べた。カイニン酸を電気泳動するために通電量や通電時間等の条件検討を行った。そして、大脳一側の側坐核の微小破壊によって、これまでの先行研究同様に回転運動が形成されるような条件を設定することができた。側坐核内部での破壊局在性が確認できたので、この方法を利用すれば、側坐核のCore部とShell部のそれぞれを選択的に破壊できるような方法が設定できると推察される。また、扁桃体についても、扁桃体中心核と同基底外側核との個別の選択的破壊を可能とする条件が設定できた。今後は、それらの方法を駆使し、ショ糖過剰摂取行動への側坐核と扁桃体との破壊の作用を検討する予定である。また、今後、学習行動を定量的指標によって計測するための行動実験装置を設計し、専門業者に依頼して作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、所属部局の耐震改修工事が行われている関係から、実験室や実験装置、および実験場所について大幅な制約があり、当初計画よりもやや実施できないことが多かった。ただし、これまでの実験により当初目的を達成するための手法の条件設定が終了したこと、また、学習行動を定量的に計測するための行動実験装置の作成ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に設定できた脳局所破壊法を用いて、側坐核と扁桃体、ならびに線条体の破壊を行い、それらの処置を受けたマウスにおける過剰摂取行動の形成と保持について検討する。また、新たに作成した行動解析装置を用いて、過剰摂取行動の固執性を定量的に計測できるための計測方法・行動手続きを作成する。以上の方策に基づき、本来の目的の達成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の実施体制上の制約もあり、当初の計画よりも執行額は異なったが、研究計画に変更は無く、前年度の研究費も含めて、今後計画を達成できるように研究を進めていく。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Yasunobu Yasoshima, Erina Yamaguchi, Tsuyoshi Shimura2013
Author(s)
Reduced hindbrain response to visceral stimulation by intragastric infusion of a caloric sweetener in mice showing binge-like sugar overconsumption
Organizer
The 36th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society
Place of Presentation
国立京都国際会館(京都市)
Year and Date
20130620-20130623
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