2013 Fiscal Year Annual Research Report
Micro-inflammationを抑制する食品成分の探索と疾患予防への応用
Project/Area Number |
24614008
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
生山 祥一郎 九州大学, 大学病院, 准教授 (20184393)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 秀之 九州大学, 大学病院, 医員 (00529886)
平瀬 伸尚 九州大学, 大学病院, 助教 (00588121)
|
Keywords | 食品機能成分 / 細胞内脂肪滴 / ペリリピン / ピクノジェノール / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
細胞内脂肪蓄積に働く蛋白PLIN2の発現制御機構を明らかにし、この機序に細胞内のmicro-inflammationが関わることを明らかにした。生活習慣病などインスリン抵抗性を基盤とする病態では、過剰な脂肪蓄積が基本的現象と考えられるため、細胞内脂肪蓄積の抑制は疾患の予防・治療に応用できる可能性がある。食品機能成分Pycnogenolはmicro-inflammationの抑制を介してPLIN2発現を抑制し脂質蓄積を抑制する効果がある。この成分をモデルとして食品機能成分の作用解析手段の開発をめざしている。抗酸化作用をもつ他の成分では必ずしもPLIN2抑制作用がなく、PycnogenolのPLIN2発現抑制機構は単に抗酸化作用だけで説明できるものではない。そこでPycnogenol摂取によりヒト白血球で発現が変動する遺伝子をDNAマイクロアレイで多数同定し、これらの遺伝子がPycnogenolの作用発現に関わる因子ではないかと考えた。in vitroの系でこれら候補遺伝子の発現変動を検証するため、Pycnogenolおよびその他の抗酸化食品成分で処理した肝細胞やマクロファージに発現する候補遺伝子の変動の解析を試みた。しかしながら、in vitroの系での変動が必ずしも生体で見られた変動と一致しなかった。その違いの原因がin vivoとin vitroという条件の違いによるものか、用いた細胞の種差によるものか明らかにできていない。もともとPynogenol自体は多様な機能成分の混合物であるため、生体内では機能成分が代謝を受けることによりin vitroとは異なる作用機構を発揮している可能性が推察される。食品機能成分の作用は単純にin vitroで再現できるものではなく、成分の特徴を見出すためには生体での作用解析の必要性が示唆される。
|
Research Products
(4 results)