2014 Fiscal Year Annual Research Report
食品含有成分による細胞死誘導リガンド耐性乳癌細胞の治療効果促進機構の解析
Project/Area Number |
24614019
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
福井 雅之 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 研究員 (60392502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光浩 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (00321662) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 不飽和脂肪酸 / ビタミンC / アポトーシス / オートファジー / 癌細胞 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究結果から、ビタミンCはヒト膵臓癌細胞株MIA-PaCa-2を用いたin vitro, およびマウスxenograftモデルの評価により、酸化ストレスを介して細胞死を誘導していることが判明した。また、電子顕微鏡解析により、ビタミンC処理した癌細胞内には細胞内オルガネラを取り囲むオートファゴソームが検出され、オートファジーを誘導している事が判明した。さらにビタミンCはオートファジーを介してヒト膵臓癌細胞に対して細胞死を誘導していた。現在、これらの結果は国際雑誌に投稿中である。 これまでの研究から不飽和脂肪酸 (PUFA)はヒト膵臓癌細胞を移植したマウスxenograftモデルにおいて癌細胞の増殖を有意に抑制する事が示された。また、in vitro実験系においてPUFAは酸化ストレスを誘導し、癌細胞に細胞死を誘導する事が示された。PUFAも癌細胞に対してオートファジーを誘導していた。そこでin vitro実験系において、オートファジー特異的阻害剤あるいはBeclin1 siRNAのトランスフェクションでオートファジーを阻害すると、PUFAが示す抗腫瘍効果は増強される事が明らかとなり、PUFAが誘導するオートファジーはアポトーシスを阻害している事が示された。この結果は国際雑誌に掲載された。 研究期間全体を通じた本研究により、食品含有成分ビタミンCやPUFAにより癌細胞に酸化ストレスを誘導しオートファジーが誘導されることが判明した。特にビタミンCによるオートファジーは細胞死誘導に作用し、今後、癌細胞特異的に細胞死を誘導するTNF-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL)と組み合わせる事によりTRAILが誘導する癌細胞特異的な細胞死誘導効果を高め、副作用のない治療法となり得る事が期待される。
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Research Products
(9 results)