2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24615004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
升井 伸治 京都大学, iPS細胞研究所, 講師 (20342850)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マスター転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
23年度以前の研究において、iPS誘導を阻害すること(iPS干渉)を指標に、分化を決める転写因子(誘導因子)がとれることがわかり、任意の細胞に使えると考えられた。本研究では、iPS干渉の分子機構を明らかにすることを目的とする。本年度は、神経系細胞においてゲノムワイドshRNAライブラリを用いて、初期化を抑制している遺伝子をより多く同定し、iPS干渉の分子機構に関するインサイトを得ることを試みた。多数の候補遺伝子が得られたが、その中にベータアクチンが入っていた。ベータアクチンは、重合および脱重合を介して、様々な遺伝子の発現を制御する。種々の解析から、ベータアクチンをノックダウンすると、モノマーのベータアクチンを減少させたこと(すなわち、重合)を模倣していることが示唆された。 他方、現在までにダイレクトリプログラミングの報告は多数あるが、抑制性エピジェネティック修飾が誘導されるかについては、意見が分かれる。そこで、これまでの研究から得られた、神経系細胞をダイレクトリプログラミングで作出する系を用いて、抑制性エピジェネティック修飾が完全に誘導されるかを解析した。これまではレトロウイルスでダイレクトリプログラミングを行っていたが、発現量がさほど高くないことや誘導途中にサイレンシングされることなどから、より強力かつ持続的に発現させるためにセンダイウイルスベクターを構築した。これを肝細胞へと感染させたところ、高い効率で誘導神経系細胞が得られた。抑制性エピジェネティック修飾(H3K27me3)をChIP-seq法で解析したところ、ある程度、これらが新規に付加されているという予備的な知見を得た。
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Research Products
(1 results)