2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24615005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
木村 重美 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (60284767)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋ジストロフィー / 筋衛星細胞 / 筋分化 / MyoD / 休止期 |
Research Abstract |
この研究の目的は、筋組織にある筋線維の基である筋衛星細胞を刺激して、筋分化を促進することにより、筋ジストロフィーの治療薬の開発することにある。我々はTet-Offシステムを利用して、ドキシサイクリン(Dox)を除去することにより、MyoD遺伝子を発現させることのできるマウスES細胞(ZHTc6-MyoD)を作製している。この細胞はDoxを培地から除去することにより、高率に筋分化が可能である。そのZHTc6-MyoD細胞において、MyoDの発現がしていない未分化なZHTc6-MyoD細胞 [ZHTc6-MyoD(MyoD-)細胞]と、Doxを除去してMyoDが発現しているにも関わらず未分化の状態を保っている(休止の状態)ZHTc6-MyoD細胞[ZHTc6-MyoD(MyoD+)細胞]において、網羅的DNAマイクロアレイを用いて遺伝子の発現を比較検討した結果、Aと言うタンパクに着目した。AはZHTc6-MyoD(MyoD+)細胞で高発現をしていた。ZHTc6-MyoD(MyoD-)細胞をDoxを除去して筋分化を誘導する際にsiRNAでAの発現を抑制すると筋分化を抑制され、また、ヒトの不死化された筋芽細胞をFBSの濃度を下げて分化誘導する際に、Aを刺激するとマイオチューブの形成が大きくなり、筋収縮まで分化が進むことが認められた。このことは、Aを刺激することで、筋ジストロフィーの治療薬となり得ることを示唆している。Aに関しては特許出願を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Aと言うタンパクに着目し、研究を進めている。in vitroでは、筋芽細胞を用いて、Aが筋の発生に関与することが解明された。また、このAに関しては、筋細胞の成長に関わる報告は今までなく、世界で初めての報告となる。DNAアレイでの他の候補遺伝子も調べる予定であったが、Aによりこの研究の目的である筋細胞への分化促進作用を認めたため、Aだけの研究成果となる。今後、筋疾患の治療の可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
Aというタンパクを中心に、そのタンパクが筋の発生、特に筋衛星細胞にどのように関与しているのか、in vitro, in vivoを中心に研究を進める。特にAを刺激する物質を注射することにより、筋ジストロフィーのモデルマウスで、筋力、筋組織、血液学的な検討をする。今後、筋ジストロフィーの治療薬として特許申請の予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費として以下のものを見込んでいる。 1, Aを刺激する物質がジストロフィーの治療薬として検討するためのモデル動物の購入維•持費費 2, Aを刺激する物質の購入 3, 動物の筋力評価のための画像、組織学的、分子生物学的な検討のための費用と試薬 4, 細胞培養の用のディシュ、メディウム、FBS、ピペットなど
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