2013 Fiscal Year Research-status Report
百寿者ケアに関する日韓融合研究:長寿文化と超高齢期のケア関係
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24616009
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
金 恵媛 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (60405529)
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Keywords | 百寿者 / 健康長寿 / 長寿文化 / 百歳予備群 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究は、日韓の百寿者・予備群の日常世界を多面的に捉え、健康長寿並びに超高齢期ケアのあり方を捉えようとするものである。研究成果の波及的効果として、大衆長寿社会を生きる当事者認識が幅広い世代・領域において共有される社会の実現を目指す。 平成25年度は百歳予備群に対するインタビュー調査の実施及び研究成果の公開を主に行った。前年度の研究結果から、百寿に至るまでの加齢過程を観察、健康長寿社会をデザインしていくロードマップの重要性についての示唆を得たからである。百歳予備群(85歳以上)の健康に関する意識及び実践、それを支える日常生活環境の詳細を明らかにし、健康長寿の実現可能性を高めていくための取組みと位置づけられる。取組み結果は以下の通りである。 インタビューは、日本では、関西地域(百寿者及び「にっち倶楽部」活動)と山口地域の百寿者(予備群)を対象に実施した。韓国では、慶尚北道、大邱広域市、忠清南道に在住する百寿者(予備群)及び関係者にインタビュー調査を行った。 調査の結果、高齢者及びその家族の社会的孤立状況という面で日韓に差異が大きいことが注目された。つぎに、日常生活における高齢者の自立・自律という面で個人差が顕著であることが観察された。これらの背景要因としては、百寿者(予備群)の健康水準及び世代特性、家族関係、そして長寿者への役割期待の違い等が認められた。長寿者への役割期待の関連では、超高齢期をアクティブに捉える認識の転換と相応の長寿文化基盤の構築が求められる。 以上の研究結果を踏まえて、長寿者及びその家族の健康長寿に関する意識と実践を顕在化していくとともに、健康長寿の実現のための社会的介入のあり方についての考察を、継続的研究課題としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、日韓におけるインタビュー調査を実施することができた。特に、韓国調査では、韓国の研究協力者及び関係機関との共同調査研究を通して、百歳予備群に対する体系的なアプローチができた。 百寿者(予備群)の健康長寿の「いま、ここ」を伝える「センテナリアンAgora」(仮)の開設については、平成25年度開設を予定していたが、平成26年度に見送ることになった。理由としては、関係者による発信の内容・形式の確認、セキュリティ管理の強化等を慎重に進めるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は研究最終年度に当たり、研究結果のまとめと研究成果の還元に注力する。そのため、「センテナリアンAgora」(仮)の開設と併せて、継続的に百寿者(予備群)に対する体系的な調査を進める。
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Research Products
(6 results)