2014 Fiscal Year Annual Research Report
医療機関における暴力被害の連鎖の実態と連鎖を断ち切る臨床知に関する研究
Project/Area Number |
24616010
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
鈴木 啓子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (60224573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 美和子 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (50369344)
伊礼 優 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (90336983)
平上 久美子 名桜大学, 健康科学部, 講師 (00550352)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 暴力 / 攻撃的行動 / 被害の連鎖 / 危機予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は医療機関における攻撃や暴力被害の連鎖の実態及びその連鎖を断ち切る臨床知を明らかにすることにより、組織的支援から攻撃・暴力の発生予防や危機介入への示唆を得ることを目的とする。 平成25年度に実施した看護管理者を対象とした面接調査により得られたデータの分析から、平成26年度は医療機関の中でも患者の攻撃や暴力行為に直面する機会の多い、看護補助者10名を対象に面接調査を実施した。その結果、患者にとっての危険性の排除のため患者の行動の制限をせざるを得ない状況において、攻撃や暴力を受けている状況が明らかになった。 同様な状況を当の患者はどのように体験し、対立状況に至っているのかを入院患者10名を対象に面接調査を実施した。その結果、医療従事者との対立状況として、私物を一方的に管理される状況、個別性のある対応をしてもらえない状況、肝心な話をすることを避けられる状況、幻聴妄想により行動の制限を受ける状況、自分が問題の原因だとスタッフに誤解される状況、つらい時に懇願しても対応してもらえない状況、自分の弱点ばかりを指摘される状況、スタッフの出入りが激しく不安になる状況等が上がった。患者は人としての気遣いや配慮を患者なりに行い、また、スタッフにも同様な配慮や気遣いを求めていた。その両者の関係において、スタッフの側が患者の問題行動や病床の悪化のみに着目し、医療従事者による介入は、患者から見ると病者としてのレッテルをはられているとの認識につながり、両者の溝をさらに深くしていることが明らかになった。患者-医療従事者は双方の安全や安寧を求めているにも関わらず、相互交流の中で対立しやすい状況が浮き彫りになった。以上を踏まえて、対立状況へ発展させない関わり方や、コミュニケーションへについて検討した。
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Research Products
(4 results)