2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24616015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
谷 俊子 東海大学, 教育研究所, 助教 (50592862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 常二 近畿大学, 経営学部, 准教授 (70398501)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ケアの倫理 / ケアリング / ワークライフバランス / 子育て支援 / 企業倫理 / ハラスメント |
Research Abstract |
①『ビジネス倫理学読本』(晃洋書房)を発刊した(平成24年5月)。その中の第9章「ケアの倫理とビジネス倫理」の執筆を担当した。②日本経営倫理学会において「ハラスメント防止活動における倫理的規範と課題」をテーマに発表をした(平成24年6月23日)。ハラスメント防止においてはケアの倫理の実践が有効であることを論じた。③人材育成学会において「育児休業制度を利用する従業員への支援の実態-本人・上司へのインタビューから」をテーマに発表をした(平成24年12月8日)。本発表は、平成24年5月から8月に、休業取得者と上司にインタビューを行ったものの報告である。育児休業制度の取得や復帰後の短時間勤務制度の利用において、会社・上司・同僚の協力、ケアがどのように行われているかをインタビュー調査した。具体的な職場での工夫と、最近の働く女性の意識の変化も明らかになり、女性の育成、能力の発揮、会社への貢献のための課題も提起した。④前記のインタビュー調査報告書として「雇用におけるケアの倫理の基礎的研究 家庭役割を担う女性への支援:企業における実践」を完成した(平成25年1月)。インタビュー調査対象として協力をしてくれた企業の従業員およびその上司、本テーマに興味を持つ希望者に送付をし、報告を行った。⑤日本経営学会誌20号に論文「ハラスメント課題の新たな傾向と解決するための倫理的規範」を執筆掲載した(平成25年3月)。ハラスメント防止においてはケアの倫理の実践が有効であることを論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画であったヒアリング調査、文献調査、ケアの研究者との交流・研究会、学会発表、インターネット研究報告は全て行った。成果は上記「研究実績の概要」の通りである。インタビュー調査の報告書完成は平成25年度中の計画であったが、前倒ししての進展となった。その他、補足・経過中のものとしては以下の通りである。 ①欧米のビジネス倫理学の分野における文献の調査を行い、インタビュー調査と併せて論文を作成中である。東北公益文科大学へ博士論文として平成25年度中に提出の予定であり、同大学所属の教授との研究会を平成24年度中に6回行った。 ②ケア研究者との分野を超えた交流として、医学・心理学系の研究者との研究会を行った。当該研究者は若年者のメンタルヘルス・ハラスメント研究に実績が多く、その既調査データを用いて、ケアの倫理理論による分析を行っているところである。 ③web上における一般の方への研究成果の開示と研究者生活への理解促進を目的として、ReaD&Researchmapのサイトを活用し、定期的に研究報告および文献紹介等を行っている。平成24年度は10回の報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は以下の通り(変更もあり)。 1.研究会の開催。テーマ名:「ケアのキャリア教育~大学生へのキャリア教育の倫理的課題と対策」①キャリア教育専門家を招いて現状の報告・説明②①をふまえて、倫理学者による検討・提起、開催時期:①2013年7月14日(土)13:30~17:00、②2013年12月15日(土)13:30~17:00 (予定)計2回、場所:①近畿大学②東海大学、講演者、研究会パネリスト等:近畿大2名、東海大1名、金工大1名、京大1名他、成果反映:研究会の開催をふまえて、講演者には課題研究論文を執筆依頼。来年度に書籍の形で成果としてまとめる。2.企業人との研究会開催:関東地区および関西地区において、企業のCSR推進担当者を集めて勉強会や検討会を行う。5月下旬に第1回を開催予定。講演者:谷俊子。会場:関西電力 3.企業従業員インタビュー調査の分析:平成24年度に実施した子育て中の従業員へのインタビュー調査について、分析を継続する。 26年度は以下の通り(変更もあり)。 1.若年層の就職・就労継続の状況調査と課題検討結果を大学キャリア支援教育へ反映させる。2.企業におけるワーク・ライフ・バランス支援、メンタルヘルス課題、障害者雇用、ハラスメント課題等への取り組みに関する状況調査を継続する。3.日本国内における医療や看護、家庭内労働におけるケアの研究者との交流・研究会の実施を継続して行う。4.継続してきた上記の調査・研究と、王べきの文献研究、東海大学におけるキャリア支援教育状況等、3年間で取組んだ内容を有機的に組み合わせたケア学を総括し、学会発表や論文発表を行う。WEBサイトでの公表を行う。5.研究代表者による、企業の障害者雇用、メンタルヘルス課題、ワーク・ライフ・バランス推進等におけるケアの倫理に関する既出の論文と本研究により新たに執筆をした論文を合わせ書籍として刊行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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