2013 Fiscal Year Research-status Report
親の離婚を経験した子どもたちの心理学的理解とケアのあり方に関する研究
Project/Area Number |
24616022
|
Research Institution | Tezukayama Gakuin University |
Principal Investigator |
藤田 博康 帝塚山学院大学, 人間科学部, 教授 (80368381)
|
Keywords | 心理的ケア / 親の離婚 / 子どもの不適応 / リジリエンス / ケアプログラム / 国際情報交換 |
Research Abstract |
研究2年目に当たる当該年度においては、1.親の離婚を経験した子どもたちへのインタビュー調査による質的研究の完遂、2.その結果を主要な枠組みとしての研究代表者・研究協力者等による臨床的援助やケア実践例の検討、3.学校教育現場で子どもたちにかかわる教員らへの質問紙調査、インタビュー調査、4.親の離婚を経た子どもたちに対する国内外のケア・プログラムの調査、視察等を行った。 その結果、1.質的研究により子どもたちの不調や不適応、さらには回復力につながる要因が詳細に分析され、2.その結果を踏まえ、学校現場や家庭裁判所などの実践現場における子どもたちへの配慮やケアのありかたが検討された。また、3.教員らに対する質問紙調査やインタビュー調査により、親の離婚を体験している子どもたちへの教員のケアの意識のありようが明らかとなった。さらに、4.米国における離婚の移行期にある家族や子どもへの代表的なケア・プログラムであるFIT(Family In Transition)を視察、ファシリテーター養成訓練を受講し、我が国へのFIT(日本版はFAIT)導入の試み(マニュアル翻訳、プログラム試行実践、ワークショップ開催など)に着手した。 当該年度の研究成果により、親の離婚を経験した子どもたちに対する適切な理解がなされ、心理的ケアや支援のありかたが具体的に示され、さらに、それを踏まえることによって実際の臨床実践におおいに役立ち、ケア・プログラムの導入にまで着手できたことに鑑み、重要かつ意義のある成果があがっていると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、当該年度においては、1.研究初年度の親の離婚を経験した子どもたちへのインタビュー調査による質的研究の完遂、2.その結果を主要な枠組みとしての研究代表者・研究協力者等による臨床的援助やケア実践例の検討、3.学校教育現場で子どもたちにかかわる教員らへの質問紙調査・インタビュー調査、4.親の離婚を経た子どもたちに対する国内外のケア・プログラムの視察・調査が予定されていた。研究実績の概要に記載した通り、1~4のすべてがおおむね順調に推移している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度においては、これまでの研究を総括した総合的検討・考察を行うとともに、各研究成果を家族心理学会、家族心理学研究等に発表してゆく。同時に、研究代表者・研究協力者による臨床実践や啓蒙的活動を通じて、研究結果を実践現場に還元し、援助ニーズの高い子どもたちを支援してゆく。また、離婚を経験している家族や子どものケア・プログラムの紹介や導入の試みを進め、必要に応じて海外の研究者の招へいによる当該テーマに関するワークショップの開催を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費・謝金(録音反訳代、インタビュー調査謝礼等)の支払い件数が当初の予定より少なかったため。 事前に申請した研究費使用計画に準じて、研究会・学会出席等のための海外・国内旅費、研究会やミーティング開催のための会場費、インタビュー調査謝礼および録音反訳費、 海外の専門家の招聘およびワークショップの開催費、その他、必要に応じて物品購入等に充当する。
|
Research Products
(3 results)