2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24617006
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
今野 喜和人 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (70195915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 愛 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (10313917)
山内 功一郎 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (20313918)
田村 充正 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (30262786)
南 富鎭 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (30362180)
花方 寿行 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (70334951)
桑島 道夫 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (80293588)
CORBEIL Steve 静岡大学, 大学教育センター, 講師 (80469147)
大原 志麻 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (80515411)
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Keywords | 翻訳学 / 比較文学 / 比較文化 |
Research Abstract |
翻訳の〈倫理〉に関わる総合的研究というテーマの下、2年目にあたる今年度はメンバーのそれぞれが、研究対象について基本的な情報収集から、徐々に最終年度の成果発表に向けて研究の方向性を定めて行った。 海外調査としては、安永とコルベイがフランス、花方・大原がイギリス、山内がアメリカでそれぞれの研究分野について資料収集を行い、他の分担者はいずれも国内の図書館・資料館等で調査を行うほか、入手した資料に関する分析を行った。南がル・ボンの民族心理学の日中韓での受容に注目し、田村は川端康成の小説と映画に関わる問題、安永はポール・ヴァレリー、山内はマイケル・パーマー、花方はD. F. サルミエント、大原はセルバンテス、コルベイは松本清張、桑島は華人(非母語)作家についてそれぞれ研究と発表を行うなど、各分担者とも、広い意味における翻訳と倫理の問題を探求している。 研究の方向がいささか拡散している現状に鑑み、今野は今一度原点に立ち戻るべく、固有名詞の扱いを例に、翻訳の倫理を研究する基本的な意義についての論文を作成した。 それぞれの研究内容についてはおおむね月に一回のペースで開催している研究会において発表し、相互の視野拡大に努めているが、11月には日独語のマルチリンガルな創作家として有名な多和田葉子氏をお招きして、研究テーマとの関連で講演をお願いした。その後、朗読のパフォーマンスを行って頂き、学生・一般市民を含めて多くの聴衆を集めて、本研究の社会への還元の一端を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
毎月の研究会では各自の研究進行状況を報告し合っているが、おおむね順調に推移していると考えられる。また研究発表の数も、ほぼ順調と言える。あとは研究が多岐にわたるため、〈倫理〉という視点からどれだけ全体を有機的に結びつけていくかという作業が残 されていると言えるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度が研究の最終年度にあたるため、最終的な報告書作成や、各自所属学会等での発表に向けて、研究を収束させ、全体の有機的な連関を図っていきたい。同時に、研究成果の社会への還元という目的も兼ねて、連携研究者の野崎歓氏、小説家の中村文則氏を招いて研究テーマに関わるシンポジウムを一般公開の形で開催する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一部分担者の研究計画に遅れがあって、海外調査を取りやめたために余剰金が出た。 本研究と深い関わりのある中国人作家の26年度来日が決定したので、研究会で講演頂くため、25年度の予算の余りを謝金として利用する予定である。
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Research Products
(10 results)