2012 Fiscal Year Research-status Report
障害者の福祉(WELL-BEING)における芸術的表現の意義の実証的研究
Project/Area Number |
24617011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川井田 祥子 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特任講師 (40567632)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | well-being / 芸術表現 / 障害者 |
Research Abstract |
文献による代表的な先行研究の検討を通じて海外と日本それぞれの障害者福祉政策及び文化政策の変遷を概観した。それをふまえて、日本の障害者福祉政策が抱える課題を析出し、文化政策と架橋することの必然性を理論的に検討した。 そして夏に、パリ市立アル・サン・ピエール美術館とリールの美術館を訪れ、障害者の作品を専門に収蔵するに至った理由や行政からの支援について調査を行った。また、韓国・水原市の「エイブルアート・センター」を訪れ、運営体制や行政からの支援についての調査を行った。 秋には、文化庁の調査に同行してボローニャとリールへ行き、文化政策担当者や社会的包摂に取り組んでいる行政職員、社会的協同組合のリーダー等を対象に、公民連携による社会的包摂の連関モデルについてインタビュー調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果の一つとして、単著を刊行することになったため、平成25年度に計画していたリールとパリの美術館を対象にした調査を早めたこと。そして原稿執筆に時間を費やすために、国内の障害者関連施設を対象にしたアンケート調査および訪問調査を次年度に延期したからである。
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Strategy for Future Research Activity |
障害者関連施設にアンケートを発送し、返送されてきたものから順に回答データ入力を行い、結果を分析するとともに、芸術的表現活動の実態と、障害者本人のニーズ動向を探る。さらに、アンケート回答施設の中から訪問調査を行う対象を選択し、受け入れ依頼を行う。約30か所を訪問し、行政や教育機関、美術関係者らとの関係も調べ、その地域独自のネットワークを生かした社会的包摂のシステム構築可能性を検討する。 その後、アンケート調査と訪問調査で得た情報をもとに、公民連携による社会的包摂の連関モデルについて、連携研究者および研究協力者らと議論し、仮説を立てる。 さらに、議論によって導き出した連関モデルを多様な視点から検証するために、アンケート調査を実施した地域で、施設職員や文化政策および福祉政策の担当者らと議論し、連関モデルや仮説の精緻化を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アンケートの発送費用と、国内約30か所の調査旅費に研究費を使用する。
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Research Products
(3 results)