2013 Fiscal Year Research-status Report
地域の継承へ向けた郊外住宅地の「再定義」手法に関するモデルスタディ
Project/Area Number |
24618009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 建 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 助教 (60325545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 芳朗 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (50396769)
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Keywords | 郊外 / 再生 / コミュニティ / リノベーション |
Research Abstract |
本研究は,全国の郊外住宅地で取り組まれている先進的・試行的な取り組み事例を収集・分析することによりその条件とポテンシャルを明らかにすると共に,郊外のスラム化が日本に先んじて社会的テーマとなったアメリカ等の海外における郊外住宅地再生手法の実態把握と日本への適用可能性の検討を行うことにより,日本型の郊外住宅地の「再定義」手法についてモデル提案を行うことを目的としている。平成25年度には,下記の活動を行っった。 1)日本における「まちなか化型」の取り組み事例の現地調査:日本各地での取り組み事例のうち,平成25年度には「まちなか化」の事例について現地調査を行った。調査対象としては,福岡市城南区別府商店街等である。現地における古くからの商店の衰退と,近年に現れた新しい店舗の特徴を調べ,住宅地に隣接する商店街としての「行きつけ空間」のポテンシャルを検討した。 2)空き空間の活用に関する現地調査:郊外住宅地で空き家・空き宅地の割合が多い住宅地を選定し,フィールドワークを実施した。特に,リノベーションの素材としての空き家のポテンシャル,空き地の周辺住民の活用等について取材を行った。 3)郊外住宅地の再生に関するモデルスタディ:これまでにフィールドワークを行った複数の住宅地の条件を重ねあわせた架空の住宅地を設定し,その再生手法に関するモデルスタディを行った。若い世代のリノベーション,高齢世帯の自宅開放,公共空間の地域マネジメント等のテーマに基づき,実際のデザイン手法を検討し,それぞれ模型を作成して再生案を作成した。また,マネジメント手法についても,賃料等についてシミュレーションを行い,地域マネジメントの仕組みについて考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内でのフィールドワークに関しては,予定より早く進展しており,概ね成果がまとまりつつある。一方で,海外でのフィールドワークについては,諸事情から実施せず,平成26年度に集中的に実施する。全体としては,概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には,主に以下の活動をこなう。1)日本における地域継承の取り組みのカタログ化:平成24,25年度に現地調査を行った国内外の取り組み事例を 集約する。そして,地域,担い手,地価,受益者等の視点から類型化したうえで,写真や 図表を豊富に用いて事例ごとにまとめ,日本で実現可能な「ローカルネットワークへの組み込み型」「まちなか 化型」の手法を集約したカタログとして小冊子にまとめる。 2)日本の郊外住宅地の「再定義」手法に関するモデルスタディ:最後に,25年度に選定・実態調査済みの住宅地を対象に,「ローカルネットワークへの組み込み型」「まちなか化型」の郊外住宅地「再定義」手法を適用し ,新たな居住地像を表現するモデルスタディを実施する。各手法については,具体的な空間設計,,平面図・断面図・パース等を用いて空間の変化や使われ方の特徴を描く。また,不動産 的見地から事業の可能性についてもシミュレーションをおこなう。得られた成果は,カラー刷りの小冊子として 編集し,専門家以外の人々にも理解可能な情報提供を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度にアメリカ調査を企画していたが,諸般の事情により,平成26年度に実施することとなった。そのため,平成25年度分の一分予算を次年度に繰り越すこととした。 当初の計画に加え,北米での現地調査を計画している。
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