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2012 Fiscal Year Research-status Report

グローバル化のもとでの東アジア移行経済・大都市圏の居住形態の変動と形成メカニズム

Research Project

Project/Area Number 24618015
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionMeijo University

Principal Investigator

福島 茂  名城大学, 都市情報学部, 教授 (10251349)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsベトナム / ホーチミン / 移行経済 / ドイモイ政策 / グローバル経済化 / 居住形態 / 都市化
Research Abstract

本年度は、ベトナム・ホーチミン市における都市化と居住形態の変動について明らかにした。1990年代以降に市街化したHCMC郊外部の居住形態のフォーマル化の実態を、①土地・住宅所有形態、②インフラ・サービス改善状況、③住宅の質の改善状況の観点から明らかにし、そのメカニズムを解明している。本研究に当たっては、HCMC市政府関連部局へのヒアリング、地区別ケーススタディと住民アンケート調査を実施している。
居住形態のフォーマル化は、二つの経路を通じて実現されつつある。ひとつはインフォーマル宅地開発地域のフォーマル化であり、もうひとつは新規宅地開発のコントロールである。インフォーマル宅地開発地域では、1990年代からコミュニティと市政府との共同の住環境改善事業が実施されている。また、市政府による土地利用権の正規化事業が展開されており、土地利用権と建物の登記も進みつつある。住宅所有者による住宅の漸進的な改善も急速に進みつつある。この結果、既存のインフォーマル宅地開発地区は、所有形態、建物の質、インフラ・サービス水準のいずれの点からも、フォーマル化が進みつつある。新規の開発のコントロールが強制力をもって適用され始め、当初からフォーマルな開発が進み始めた。新規開発のコントロールは区の都市計画マスタープランの適用や、農地転用許可、土地利用権の登記などの手続きを通じて、区政府が強制力をもって展開されるようになった。既存インフォーマル住宅ストックのフォーマル化は住環境改善をもたらすものの、新規開発のフォーマル化は土地・住宅価格の高騰と相まって、平均的な所得階層や低所得階層のアフォーダビリティを低下させることになった。こうしたなか、新しいインフォーマルな居住形態、低質な賃貸住宅(間貸し・長屋)を含む賃貸住宅ストックの増加をもたらしつつある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、ドイモイ政策とグローバル経済化のもとでのホーチミン市の都市居住形態の変動について、現地関係機関へのヒアリング調査、アンケート調査を実施した。現在、アンケート調査結果をもとに、分析を深めつつある。グローバル経済化のもとでの都市居住形態の変動の実態、どのようにホーチミン市民がが住宅にアクセスしつつあるかについて明らかになりつつある。
都市居住形態の変動を理解するうえで不可欠な、移行経済化のもとでの向都人口の動態と都市化の実態については、現地研究者との共同研究によって明らかにし、論文発表を行った。

Strategy for Future Research Activity

(1)ベトナム・ホーチミン市における世代・社会階層からみた大都市圏郊外部の居住形態とその形成メカニズム
H24年度の居住形態アンケート結果をもとに、さらに分析を深める。具体的には、世帯主の年齢層と社会階層(学歴・職業・戸籍タイプ)により世帯を類型化し、異なる世代・社会階層がどうような就業・家計構造をもち、どのような居住履歴を経て今日の居住形態に至ったかを明らかにする。「グローバル経済化‐移行経済システムと社会経済構造の変動‐大都市圏開発・住宅市場の形成と変動」というマクロ構造の変動プロセスに、「世帯の就業形態・家計と居住履歴(住み替え・ハウジングプロセス)と住宅取得・賃貸可能性」という世帯レベルのミクロ構造の変動を重ね合わせることで、異なる世代・社会階層が達成した居住形態やその格差はどのような要因・プロセスに起因するか、土地・住宅制度・政策は住宅事情の改善にどのように寄与したのか(しなかったのか)を明らかにする。
(2)中国における居住形態・住宅政策のレビューと居住実態に関するパイロット調査
中国における移行経済・グローバル経済化のもとでの住宅市場、住宅政策・制度、居住形態に関する文献レビューを行い、居住形態の実態調査のための仮説設定と北京大都市圏でのパイロット調査を実施する。日中関係の悪化に伴って、現地調査の実施が困難化しており、慎重に対策を検討したい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費の多くは、ベトナム・ホーチミン市における居住実態調査のフォローアップ調査、中国・北京市における居住形態に関するパイロット調査の実施など、海外現地調査に費やされる。また、ホーチミン市居住形態の統計的分析作業などへのアルバイト謝金、ベトナム語文献、中国語文献の翻訳謝金、国際学会への発表などの旅費などを予定している。その他の費目としては、海外現地調査のための携帯用ノートブックPCの購入などを予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Urban Migration Trends and Characteristics of Migrants under Doi Moi: A Case Study of Ho Chi Minh City, Vietnam2013

    • Author(s)
      Le Van Thanh and Shigeru Fukushima
    • Journal Title

      名城アジア研究

      Volume: 4-1 Pages: 17-29

    • DOI

      ISSN 1884-4332

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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