2014 Fiscal Year Annual Research Report
マルチターン飛行時間型質量分析計によるオンサイト歯周病態解析
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24619002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊田 岐聡 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80283828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 伸也 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70239490)
馬場 健史 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (10432444)
新間 秀一 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, 研究員 (30515896)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタボロミクス / 歯周病 / オンサイトマススペクトロメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
[1] 歯肉溝滲出液中の代謝物を網羅的に解析 歯周病患者16名の歯周病の程度のひどい歯と比較的健康な歯,14名の健常者ボランティアの歯肉溝滲出液中の代謝物をGC/MSで網羅的に測定を行い,得られた結果を主成分解析した.歯周病の程度のひどい歯と健常者の歯を明確に区別することができ,さらに歯周病の程度が低い歯に関してはその間に広く分布することが分かった.得られた結果と歯周ポケットの深さには,強い相関があることが分かった.これにより,歯肉溝滲出液のメタボロミクスにより歯周病診断が可能であることを示せた. [2] 代謝物の同定 解析で得られた代謝物のピークの中から,所有している代謝物データベースと一致した50種程度の代謝物ピークの中から,歯周病診断に対する貢献度が大きい代謝物20種程度について,標品を購入して比較測定を行うことで,代謝物の同定を行った.歯周病がひどくなると急激に増加する代謝物(リボース,ガラクトース,タウリンなど)や,歯周病の程度に応じて段階的に量が変化する代謝物(乳酸,リン酸塩,グリシンなど)を特定することができた. [3] チェアサイドでの分析のためのサンプリング法/前処理法/ソフトウェアの開発 当初は歯肉溝滲出液をガラスキャピラリーで採取していたが,ペリオペーパーでの採取で十分に測定と歯周病の診断が可能であることを示した.ペリオペーパーに吸わせた歯肉溝滲出液からDART(direct analysys in real time)イオン化で直接測定が可能かどうかを確認したところ,ペーパーに前もって塗られている成分が妨害するため,前もって塗布剤を除去すれば測定できることが分かった.また,ソフトウェアに関しては,温度ドリフトなどをキャンセルするロックマス機能や,特定物質の定量を行うターゲティング機能を構築し,オンサイト分析のための技術を構築した.
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