2014 Fiscal Year Annual Research Report
カビ代謝ペプチドの解析のためのフラグメンテーション理論の新展開
Project/Area Number |
24619003
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
竹内 孝江 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (80201606)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝仁 奈良女子大学, 古代学学術研究センター, 特任教授 (60144135)
紅 朋浩 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00222513)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | フラグメンテーション理論 / 質量分析 / カビ代謝物質 / MVOC / カビ種同定 / イオンモビリティー / ソフトウェア / セスキテルペン |
Outline of Annual Research Achievements |
カビはペニシリンをはじめ、有用物質の合成手段として利用されている。カビによる生合成反応の解明のためには、高感度でハイスループットな質量分析法によるカビ代謝物質の構造決定法の確立が求められている。本研究の目的は、代謝ポリぺプチドの構造解析を質量分析法で行うためのフラグメンテーションを予測する理論を構築することである。ポリペプチドイオンのフラグメンテーション理論の構築を次の3つのアプローチにより行った。 [1] 分子理論計算によるフラグメンテーション反応の理論予測:細胞内において重要である金属イオン付加ペプチドのフラグメンテーション機構をab initio 密度関数理論およびRRKM統計理論により研究し、金属-ペプチドコンプレックス形成が電子移動解離(ETD)に与える影響を解明した。 [2] カビ代謝物質の質量スペクトルデータの多変量解析によるカビ種予測:文化財の微生物による劣化が問題となっている。文化財で発生する主要な4種のカビA. fumigatus、A. nidulans、F. solani、P. paneumを対象とし、それらのカビから発生する微生物由来揮発性代謝物質(MVOC)を分析する手法、MVOC関連のデータベースおよび多変量解析を応用したカビ種同定ソフトウェアを製作し、90%程度の精度でカビ種成分を判定できた。 [3] カビ代謝物質の生成関連遺伝子の検索:カビ代謝物質であるセスキテルペンの生成経路を解明するため,A. nidulans の発現誘導株が放出するセスキテルペンの構造を GC/MS/MS、NMRおよびCD法により決定し、セスキテルペン生成関連遺伝子を発見した。
|
Remarks |
http://koto10.nara-wu.ac.jp/Profiles/5/0000420/profile.html
|