2012 Fiscal Year Research-status Report
ピエゾ振動ナノCIによる低極性分子標的LiveSingle-cellMS法の開発
Project/Area Number |
24619004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
津山 尚宏 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (10335747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升島 努 広島大学, その他の研究科, 教授 (10136054)
水野 初 広島大学, その他の研究科, 助手 (30457288)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 質量分析 / メタボロミクス / ナノスプレー / 化学イオン化 / 1細胞分析 |
Research Abstract |
我々は細胞間の多様性を個別に解析できる分析法として、独自開発したナノスプレーチップで1細胞内容物を吸い上げ、直接イオン化し高感度分子検出を行うLive Single-cell MS法を開発した。本研究では、これまでのnanoESI法によるイオン化に加え、多様な分子を高感度検出できる質量分析法の開発を目指すため、ナノスプレー先端を振動させて霧滴を発生させ、さらに微小電極によるコロナ放電を組み合わせ、高極性・低極性低分子を同時に検出するナノスプレー化学イオン化の構築を試みた。ピエゾ振動によるナノスプレーからの試料溶液の霧化は、ピエゾ(圧電)素子を用いた市販の振動デバイスの先端にナノスプレーチップホルダーを取り付け、ナノスプレーチップ先端を高周波振動させて霧が発生することを確認した。チップ先端の振動制御を行うため、入力電圧を変化させ液滴吐出の制御ができることを確認した。チップ先端を効率よく振動させるため、チップ取り付けホルダーの材質・形状や重量を検討しシグナル強度を上げることができた。チップ先端口径を変えながら耐久性を検討し、適切な先端径と形状のチップが比較的長時間の振動に耐え霧滴形成できることを確認した。微小電極放電による化学イオン化は、金属コートしたガラス針に電圧をかけ霧の中で放電することにより行った。ビデオ撮影により、ガラス針の先端からの放電を確認できた。このナノCI化法を用い、極性の低い分子のイオン化を試みたところ、プロトン付加体が検出され、ピエゾ振動によるナノスプレーからの霧の液滴からコロナ放電によりイオンが得られることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は質量分析計および、工作装置、一細胞質量分析用デバイス等の開発環境が必要である。本研究遂行中に、当初の所属機関である広島大学を退職し、福島県立医科大学に移ったため環境整備に時間を要しているが、退職前に今年度の目標はほぼ達成済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、理研生命システム研究センターに異動した共同研究者とともに、前年度確認したナノCIの最適化を行い、一細胞解析に適用を試みる。 ナノスプレー霧の化学イオン化は大気圧で行うが、ピエゾ振動のみが霧の発生機構である。通常の大気圧化学イオン化法の如く、窒素ガスによる補助にて効率的なイオン化が生じるか検討する。窒素ガスの加温なども試み、イオン化の変動を観察する。 最適化条件を用いて、1細胞質量分析を試みる。HepG2細胞を用い投与薬物の追跡や細胞内分子検出の網羅的分析が可能かどうか健闘する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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