2013 Fiscal Year Research-status Report
植物の重力感受経路と重力シグナル変換・伝達機構の解明
Project/Area Number |
24620002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 伸治 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (70272002)
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Keywords | 重力感受 / 環境応答 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
植物は、細胞内小器官のプラスチドの一種であるアミロプラストの沈降を感受することにより、重力の向きを感受する仕組みを適応・進化させた。この重力を感受する仕組みは動物などの他の生物種には見られない特殊な仕組みであり、植物の重力感受機構を明らかにすることにより、生物の重力感受機構の基本原理と植物の重力感受機構の特殊性を理解することが可能となる。植物の重力応答機構の未解明の主要な課題として、重力シグナル変換分子の同定が残され得ている。そこで、重力シグナル変換分子を解明するための新規突然変異体の単離を目的とし、arg1 pgm二重突然変異体にEMSを処理して突然変異を誘発し、M2種子を得た。そして、M2世代の芽生え4298個体を遠心機による過重力条件下で生育させ、arg1 pgm二重突然変異体で残存している重力屈性能を低下させる突然変異 (enhancer of arg1 pgm突然変異) を持つと期待される芽生え (88個体) を選抜した。選抜した個体のうち18個体のM3を採種できた。そして、採種できた18系統の突然変異体の候補の形質を解析した結果、遠心機による過重力条件下で芽生えを生育させる際に、求心方向に青色光を照射した時、1系統 (57-7) の根の伸張方向が、arg1 pgm二重突然変異体に比べて、より求心方向側となる傾向があった。また、本年度は更に、M2世代の芽生え530個体をスクリーニングし、44個体のM2個体を突然変異体の候補として選抜し、これらのうち31個体のM3を採種できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である、新規重力屈性突然変異体である、arg1 pgm二重突然変異体の重力応答性をさらに低下させるenhancer of arg1 pgm突然変異の候補を得ることができた。そして、突然変異体の候補とマッピング用系統 (stf1 rhg) の交配したF1後代を既に得ている。現在、そのF1後代を成育中であり、F2集団を用いたマッピングの準備が進んでいるので、おおむね順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、得られている突然変異体の候補の形質を解析する。また、得られている突然変異体の候補とマッピング用系統 (stf1 rhg) の交配後代のF2集団を用いてマッピングを行う。また、引き続き、arg1 pgm二重突然変異体にEMSを処理して突然変異を誘発したM2世代の芽生えのスクリーニングを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
技術補佐員の雇用が7月1日からと遅れてしまったため、前年度に人件費で使用しようと計画していた助成金が未使用となり、次年度使用額が生じた。 昨年度から研究を補佐して頂いている技術補佐員の1年を通じた雇用に使用する。
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[Presentation] Graviresponse Induces Re-Localization of an Auxin Efflux Carrier, CsPIN1, during Gravimorphogenesis of Cucumber Seedlings2013
Author(s)
Nobuharu Fujii, Chiaki Yamazaki, Yutaka Miyazawa, Motoshi Kamada, Haruo Kasahara, Ikuko Osada, Toru Shimazu, Yasuo Fusejima, Akira Higashibata, Takashi Yamazaki, Noriaki Ishioka, Hideyuki Takahashi
Organizer
34th Annual Meeting International Gravitational Physiology
Place of Presentation
Toyohashi
Year and Date
20130723-20130728