2013 Fiscal Year Research-status Report
生体リズム関連遺伝子を用いたクロノタイプの同定と非薬物治療法の開発
Project/Area Number |
24621003
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
山田 尚登 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50166724)
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Keywords | クロノタイプ / 気分障害 / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
気分障害の原因はいまだ不明なままである。しかし、一部にサーカディアンリズムの異常が関連しているとの報告があり、メラトニンや深部体温による計測では、リズムの異常が報告されている。 研究目的は、バイオロジカルマーカーを用いてクロノタイプを同定しHorne-Ostbergの朝方・夕方質問紙によるクロノタイプと生物学的クロノタイプを比較検討し、臨床応用可能な生物学的時計マーカーを作成すること、およびクロノタイプと気分障害の関連性を明らかにすることである。 唾液は、2時間ごとに2mlを朝6時から夕方8時まで回収した。口腔内細胞から得られた時間遺伝子Per3、Nr1d1、Nr1D2の全RNAをキットを用いて抽出した後、cDNAを作成し、リアルタイムPCRにてRNA量を計測し、各時間遺伝子のRNA量からサーカディアンリズムの指標(頂点位相、メサ-、振幅)を安定して同定する測定法を確立する予定であった。しかし、唾液より、RNAを抽出し、cDNAからリアルタイムPCRでRNAの定量の再現性がいまだ不十分であり、定量の再現性を上げるべく工夫を繰り返している。 未だ、不十分な再現性であるが、これが可能になれば外部環境の影響を受け不正確になりやすいメラトニンや深部体温に比して正確な個々のサーカディアンリズムの計測が確立され、気分障害の診断や治療効果の同定に寄与するものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
唾液を使用したサーカディアンの計測法の定量が安定していない。
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Strategy for Future Research Activity |
①バイオロジカルなクロノタイプの同定に、全力を傾ける。方法としては、唾液の使用量を増加させる。あるいは、頬粘膜を利用する。 ②定量法が安定御、実際の患者への応用。気分障害患者に、Horne-Ostbergの朝方・夕方質問紙によるクロノタイプと生物学的クロノタイプを同時測定し、生物時計機構と気分障害の関連し絵を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
唾液を使用したサーカディアンの計測法の定量が安定していないため、被験者の計測を次年度に予定したため。 本年度遂行できなかった患者における計測を次年度に行う予定。
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