2013 Fiscal Year Annual Research Report
超大複雑ネットワークの高次探索:グラフ分解理論から実用高速アルゴリズムへの挑戦
Project/Area Number |
24650003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 浩 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (80183010)
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Keywords | アルゴリズム理論 / グラフマイナー理論 / 指数時間アルゴリズム / ビッグデータ |
Research Abstract |
最終年度にあたり、前年度に得られた成果を拡張し、理論的な深化を目指すとともに、実装したシステムを用いてより大きな問題の解決を目指して研究を進、これまでのスケールを越える大規模問題の解決に取り組んだ。具体的には、以下の2つのテーマを軸として研究を進めた。 (1)グラフマイナー理論の精査と指数時間アルゴリズムの設計と解析: グラフマイナー理論から導かれるグラフのパラメタである諸々のグラフ幅について、その間の関係を精査し、指数時間アルゴリズム設計へと発展させた。特に、グラフの線形階数幅、グラフの細分化による幅パラメタの変動について成果を得た。その上で、 指数時間探索アルゴリズムの設計技法とグラフの諸幅との間の関係を調べ、特にイジングモデルの分配計算に関して、これまでで最速の指数時間アルゴリズムを与えることに成功した。また、分枝限定法を拡張した方法での指数時間アルゴリズムの提案も行った。 (2) 大規模グラフでの基本的問題の解決: Webリンクグラフやソーシャルネットワークといった複雑ネットワークや道路網などの現在超大グラフ構造をもつ代表的な2つのグラフクラスをターゲットとして、本グループの既存研究でのグラフの木幅を活用した解法をさらに洗練したアルゴリズムとして発展させ、これら2つのタイプの超大グラフでデータ構造サイズと処理時間のトレードオフで優れた性能のアルゴリズムを与えた。さらに有向グラフでの到達可能性判定問題へと拡張を行った。 上記の研究活動と並行して、学会での発表等を通して研究成果の周知活動にも随時積極的に取り組んだ。
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Research Products
(10 results)