2013 Fiscal Year Research-status Report
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24650006
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
伊藤 大雄 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50283487)
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Keywords | 組合せゲーム / 劣線形時間アルゴリズム / ケーキ分割問題 / 川渡り問題 / 一般化将棋 |
Research Abstract |
ゲーム・パズルに関する劣線形時間アルゴリズムを中心に、これまでに無い枠組みの提示という視点からの研究を進めている。今回は主に以下の結果を得た。:・一般化川渡り問題について、禁止状態を入力とした新しい視点の問題を提示し、グラフの伸張度(expansion)に基づく原理を利用したアルゴリズムを提案した。その証明の論理の不完全な部分や分かり辛い部分を改良・修正し、論文化した。投稿済みで現在査読中。・ケーキ分割問題を劣線形時間で解くための枠組みを作り、その下でのアルゴリズムを開発した。その結果は国際会議AAAC2014に受理され発表予定である(5月18日)。さらに現在、論文化作業を進めている。・交互計算機上の典型的な問題である一般化将棋と一般化囲碁の定数時間アルゴリズムの研究に取りかかった。目的は「与えられた盤面(インスタンス)が先手必勝であるか、それからε遠隔であるか」を定数時間で検査可能か否かを明らかにすることである。まずこれらの問題について入力オラクルを定義し、盤面間の距離を定義した。その定義の下で、「一般化将棋は入力盤面に(二歩等の)反則手が無いという仮定の下では定数時間で検査可能である」という結果を得た。本研究は現在未発表である。・引分けを考慮した一般化ジャンケンに関する性質をいくつか見つけた。現在継続して研究中。・三並べを一般化したゲームなどで重要な意味合いを持つポリオミノにおけるヘリー数(Helly number)についての結果を論文化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ケーキ分割問題の劣線形時間アルゴリズムについては、順調に目標を達成し、論文化を残すのみである。続く交互計算機上の劣線形時間アルゴリズムについては、一般化将棋と一般化以後に取りかかり、興味深い成果が出つつある。すでにこの時点で目標をクリアしているが、さらに一般化川渡り問題で重要な結果を出し、一般化ジャンケンでも新たな結果を出しつつある。そしてヘリー数の結果の論文化にも成功した。計画を大幅に上回る進展と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
一般化川渡り問題の論文の完成。劣線形時間ケーキ分割問題の論文作成と発表。一般化将棋の結果を反則手を考慮できるように改善し、似た問題である一般化チェスへ応用する。そして一般化囲碁に関する定数時間検査不可能性を明らかにし、これらを合わせて国際会議および論文化を目指す。一般化ジャンケンについても研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究ディスカッションのための出張旅費のうち一部が、先方が尋ねてきたくれることになったなどの理由で計画より少なくて済んだ。 最終年度なので、研究発表のための旅費や論文作成費などに使用予定である。
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Research Products
(7 results)