2015 Fiscal Year Annual Research Report
疑似平方数に基づいた高速な確定的素数判定アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
24650007
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神保 秀司 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (00226391)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 素数判定アルゴリズム / 疑似平方数 / グラフ理論 / アルゴリズム / 巡回的グラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
Bach の理論を直接離散的な形で展開し疑似平方数を使って実用的なアルゴリズム設計に応用するという当初の方針は、現段階では拡張リーマン予想 (ERH) を仮定しない場合それに代る理論上の材料が必要となり進展が困難な状況にある。大変遺憾であるが、本研究開始当初に提案した派生研究としての予想 (平成24年、FIT2012、「疑似平方数に基づいた素数判定とカーマイケル数との関係」内) も未解明のままである。疑似平方数に基づいた素数判定とカーマイケル数との関係の解明については、文献調査、及び計算機実験の両面からの検討を今後も継続したい。 なお、平成27年度から新たに設けた実験のテーマの一つである巡回的グラフ (circulant graph) と呼ばれるグラフの構造と頂点数の素因数との関係を調査する計算機実験については、本研究から派生した研究として興味があり、平成28年度以降も継続したい.平成27年度に発表した "Improvement of the Upper Bound on the Eulerian Recurrent Lengths of Complete G raphs" の研究は、グラフ理論における研究として関連がある。さらに、「ペンタゴの完全解析結果に基づいた完全プレーヤーの設計」の研究は、大規模な計算機実験のための準備の意味を含んでいる。 また、従来から知られているように、特定の奇素数 p に対する疑似平方数 L_p の下界が十分に巨大である、例えば 2 の数千乗以上であることが証明できれば、それ以下の数に対する素数判定手続きが大幅に短縮できる可能性があるので、そのような L_p の発見の可能性について今後も文献調査を継続していきたい。
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