2013 Fiscal Year Research-status Report
本質的な構造と偶有的な構造の区別に基づく解析および操作の手法
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24650013
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
神谷 年洋 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (70415660)
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Keywords | ソフトウェア / 保守 / リバースエンジニアリング / リファクタリング / 静的解析 / 抽象実行 / ツール |
Research Abstract |
本研究提案は、ソフトウェアの様々な構造を「具有的な構造」と「本質的な構造」に分類する。これらを区別することでプロダクトの本質的な構造に影響を与えずに具有的な構造を操作するとった応用可能にすることを目的とする。平成25年度は、本研究の提案書で示していた研究遂行の3つのステップ(1. 構造の要素の発見, 2. 構造の特定, 3. 構造の関係の定義)のうち、ステップ2を概ね実行できた。 ステップ2のための分析ツールを開発した。また、研究結果を国際会議 21th IEEE International Conference on Program Comprehension (ICPC 2013) および Reengineering and Reverse Engineering (CSMR-WCRE 2014), 国際ワークショップ 8th International Workshop on Software Clones (IWSC 2014)、国内研究会などで発表した。 ただし、開発したツールはスケーラビリティの問題(は解析対象が大きい場合には解析ができない)を残した状況である。また、前年度の「今後の研究の推進方策」で説明した「追加の検証ステップ」のため、主に保守作業を念頭に置いたソフトウェアのUIの等価性を定義し、UIの等価性と機能の等価性を比較するための実験を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に追加の研究項目が見つかりそのための作業を行っている。つまり、研究提案当初の予定からすると遅れているが、実際には新たに見つかった問題の領域で研究が進んでいる、という状況である。 より詳しくは、(1)研究実績の概要で述べたように、ステップ2のために開発したツールはスケーラビリティの問題があり、今後研究を進めていくために改善する必要がある。(2)前年度の「今後の研究の推進方策」で説明した「追加の検証ステップ」のため、新たに保守作業を念頭に置いたソフトウェアのUIの等価性を判定・分析するための手法を研究した。この等価性の判定・分析手法も実験に向けて改良し洗練する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は追加の検証ステップを進めていく。すなわち、(1) ステップ2のために開発したツールのスケーラビリティの問題を解決する。(2) スケーラビリティの問題が解決すれば、現在棚上げになっている企業との共同の実験を進める。(3) ソフトウェアのUIの等価性を判定・分析するための手法を実験に向けて改良し洗練する。 現在、(3)について以下の研究会で発表した。今後も国際会議等に投稿し発表する予定である。 及川 翔, 神谷年洋, "WebアプリケーションのUI機能テストのためのHTML構造パターンの提案", 電子情報通信学会 技術研究報告 Vol. 114, No. 23, pp. 37-42 (2014-05-09).
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定外の支出が発生したため、支払いを次年度に繰り越した。 (国際会議に参加した帰りに、雪のため成田空港で足止めされ、また、交通機関が止まったために、国内で2泊余分に宿泊し予算内で支払えなくなった) 次年度の予算と合わせて、上記の支払いを行う。
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