2012 Fiscal Year Research-status Report
アプリケーション適応型動的超多階層メモリアーキテクチャの開発
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24650018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 広明 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 教授 (40205480)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | メモリサブシステム / キャッシュ管理機構 |
Research Abstract |
本年度は、100~1000のコアからなるメニーコアプロセッサ時代の革新的メモリシステム実現を目指して、アプリケーションが求めるメモリ機能・性能からアーキテクチャ設計を見直し、超多階層・アプリケーション適応型オンチップメモリアーキテクチャ、及びその利用技術について検討した. 特にメモリ階層におけるデータの再参照性について様々なプログラムについて調査を行った.その結果,キャッシュ挿入後に全くアクセスされないブロックや,最後のアクセス後にキャッシュに残るブロックがあり,これらのブロックは性能向上に寄与していないことがわかった.さらに,このようなブロックがキャッシュ領域に占める割合は非常に大きく,メモリシステムにおける消費電力増加の大きな要因となっていることがわかった. そこで,メモリ階層においてデータの再参照性を適切に評価し,階層のなかで適切に配置すると共に,再参照性のないデータはメモリ階層をバイパスできるメモリ階層管理機構について,その実現のための要求要件をハードウェアとソフトウェアの両面から精査し,その基本アーキテクチャの概念設計を行った.そして,概念設計に基づき,性能評価モデルを構築し,ベンチマークを用いたアーキテクチャ性能の試算を行った.評価の結果,考案したメモリ階層管理機構が適切に機能し,不要なデータが長時間キャッシュを占有することを防ぎ,その結果,性能低下を抑制しつつキャッシュのエネルギを最大で55%削減できることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アプリケーション適用型オンチップメモリアーキテクチャの概念設計が終わり,その初期評価を通じて有効性が確認できたことから,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
概念設計の詳細化に取り組み,より精密なシステム評価モデルを構築し,動作確認/性能評価シミュレータの設計/開発に取り組む.そして,メモリ階層でのデータ管理をプログラマが支援するためのプログラミング技術についても検討し,ハードウェア/ソフトウェア協調による,低消費電力,高スループット,そして低レイテンシなメモリサブシステムの基本アーキテクチャの実現を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ソフトウェアシミュレータ開発補助に大学院学生を雇用するための謝金と,国内外での研究成果発表のための旅費を中心に考えている.
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Research Products
(2 results)