2013 Fiscal Year Research-status Report
スリープモードを考慮したセンサネットワークのルーティングプロトコルの開発
Project/Area Number |
24650024
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 成伴 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20272180)
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Keywords | 省電力化 / スリープモード / ルーティングアルゴリズム / センサネットワーク |
Research Abstract |
センサネットワークの寿命を延ばすため,これを構成するノードの消費電力を抑える必要がある.本研究では,各ノードにスリープモードを導入し,ルーティングプロトコルの省電力化を実現することを目的としている. 初年度では,リアクティブ型ルーティングプロトコル AODV にスリープモードを導入したが,センサネットワークではノードがほとんど移動しないことから,事前に経路を選択するプロアクティブ型の方が適していると考えられる.そこで第2年度では,プロアクティブ型の OLSR プロトコルに対して,スリープモードを導入した.これを実現するため,時間軸を,制御メッセージ送信スロットと,データ送信スロットに分けた.前者では,全ノードがアクティブになるが,後者では,残存電力量に応じてスリープする時間を決定する.この時間は広告され,それに応じて隣接ノードが依頼することで,スリープする時刻を延期させることができる.これにより,シンクノードまでの経路を確保することが可能となる.シミュレーション実験により, OLSR よりも提案方式の方が中継ノードの残存電力をより長い時間保持することを示した. 一方,スリープモードを用いた既存の省電力化の研究では,消費電力を削減することを優先するあまり,ほぼ全てのノードをスリープさせてしまい,ユーザに十分な量の観測データを提供することを保証していなかった.この問題を解決するため,2つ目の研究では,センサネットワークを任意の複数エリアに分割し,任意のエリアからシンクノードへデータが到達できるようにノードを配置するという制約の下,各エリア内で複数のノードがアクティブであることを保証するスリープスケジューリング方式を提案した.そして,シミュレーション実験により,提案方式がネットワーク寿命を延ばしつつ,各エリアから複数の観測データが送られることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画通り, OLSR にスリープモードを導入した提案を行うことができた.また,これまでは消費電力を削減することのみを優先していたが,センサネットワークの目的に立ち返り,観測データの十分な収集を目指すという新たな課題を提案し, AODV に対して,これを実現するための提案を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,第2年度に行った OLSR に対する提案を更に拡張する. また,これまでの研究成果をまとめ,その成果を学会などで発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文の作成のために使用する予定だったが,今年度中に間に合わなかったため. 公表予定の論文の英文添削などで使用する.
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