2012 Fiscal Year Research-status Report
ＬＥＤ通信の特性を考慮した車車間通信プロトコルの開発
| Project/Area Number |
24650028
|
|---|
| Research Institution | Osaka University |
|---|
Principal Investigator |
東野 輝夫 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80173144)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
| Keywords | 車車間通信 / LED通信 / 通信プロトコル / ITS / モビリティ |
|---|
| Research Abstract |
本研究では、まずLED通信の通信状況を詳しく分析すると共に、様々な走行状況における見通し通信可能時間・確率分布データを収集・分析した。次に、得られた分布結果を元に、(i)衝突事故防止、(ii) 行き先経路情報取得、(iii) 周辺走行車両群の走行位置のリアルタイム予測の３つの課題を念頭に、走行車両群のリアルタイムな位置情報を高精度に推定するためのLED通信特性を考慮した車車間（路車間）通信プロトコルの概略設計を行った。提案手法では、一部の車両がGPS 受信機とヘッドライト・テールライトからのLED 通信機能（数メガbps程度の通信機能と数センチの誤差の測距機能）を有していること、ならびに、ランドマークとしてLED 通信により自身の座標情報を送信可能な信号機の存在を仮定している。提案手法では、各車両が信号機から受信した座標情報に加え測距を行うことで自分の位置の推定を行う。さらに、車車間で情報共有を行い、見えない範囲の車両の位置の把握を行う。その上でLED の欠点となる見通し通信のみしか通信できない問題を周辺車両が協調して解決する仕組みを設計した。提案手法では、直接もしくは間接的に車両の位置推定が行えない疎な環境の場合は、GPSを利用して自身の位置を推定することとした。その際、車車間での位置情報の共有により自身の推定位置を平均化することで、GPS測位の誤差を小さくする仕組みを構築した。考案方式では、LED通信機能付信号機や車両の割合が少ない場合でも、LED通信機能を保持する周辺車両や対向車線の走行車両が非保持車両の位置や状況を推定してLED通信機能付車両間で効率よく情報交換できる仕組みを構築し、現実的な車両の速度変化などの走行状況を再現できるようにしている。また、その性能を評価する評価システムを試作し，シミュレーションおよび理論解析により提案プロトコルの性能を精査した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年のLED通信の技術革新により、信号機や車のヘッドライト・テールライトのLED照明にLED通信機能を付与することで車車間（あるいは路車間）で10Mbps以上の光通信が行えるようになってきている。LED通信は見通し通信が可能であれば無線通信のようなパケット衝突を起こさずに複数の車両間で並行同時通信が可能になるため、従来の車車間（路車間）通信より効率よく車車間で情報交換できると想定される。本年度は、走行車両群のリアルタイム位置推定プロトコルを考案し、その効率や精度などの関係を評価してきた。これまでの評価結果では、比較的条件のよい環境下では誤差数十センチ程度でリアルタイムでの位置推定が行えることを確認しており、おおむね目標とする走行車両群のリアルタイム位置推定が可能であるとの見通しを得ることができ、研究は順調に進展していると思われる。
|
| Strategy for Future Research Activity |
現在までの達成度の項目でも述べたとおり、直線の片側2斜線の道路など比較的条件のよい環境下では誤差数十センチ程度で走行車両軍のリアルタイム位置推定ができるとの見通しを得ている。一方、実際の有効性を示すためには、カーブを含む曲線道路や車線数の大小、車両密度の大小、LED通信機能付信号や車両の割合に対する有効性評価などを行なっていく必要がある。25年度はこれらの研究項目を詳細に検討し、その研究成果を国際会議や論文誌に投稿することで、評価の高い成果にしていきたいと考えている。
|
| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ごく少額（18,409円）の経費を次年度に移行しているのみであり、25年度の研究費の総額はほとんど変化しないため、研究計画等に変更はない。
|
Research Products
(2 results)
