2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢認知症者と社会を結ぶ「思い出流通プラットフォーム」の研究
Project/Area Number |
24650037
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑原 教彰 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (60395168)
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Keywords | 認知症介護 / 記憶 / メディア技術 / クラウド |
Research Abstract |
本研究は、施設に入居する高齢認知症者(以下、患者)と家族、介護スタッフ、地域との絆の構築、維持による患者と地域社会との共生を、映像メディア技術で支援する「思い出流通プラットフォーム」を検討する。具体的には、①家族と患者の関係性の再構築と維持、②地域の保育園や教育機関、地域住民との関係性の構築と維持、③介護スタッフの患者への深い理解に基づく患者の個別性を考慮した介護を実現し、英国の臨床心理学者トム・キットウッドが提唱する「パーソンセンタードケア」を、国内のあらゆる介護施設で無理なく実践可能とする映像メディアの活用方法や、その実現に必要な要素技術について、家族、医療、介護スタッフ、地域住民を巻き込んだインクルーシブデザインを行った。 グループホームの3組の利用者とご家族の協力の下,それぞれの利用者の方の思い出の写真を電子化しクラウド上に蓄積し,これを利用者の方とそのご家族,そして介護スタッフがともに振り返る機会を設けることで,利用者の方のポジティブな行動変容が有意に発現し,ご家族や介護スタッフとの関係性が改善することでQOLの向上が達成されることを示した.また社会実装として,ボランティア(学生)が介護施設の高齢者を訪問し,思い出の写真の電子化とクラウドへの蓄積を行い,それを思い出ビデオなどにメディア変換し高齢の入居者の方の心理面での改善を図る試みを実施し,効果を確認した.
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Research Products
(5 results)