2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650039
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場口 登 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30156541)
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Keywords | 概念間距離 / 画像例 / ウェブ画像 / Word Net / 画像特徴 |
Research Abstract |
1 画像例の規模の向上:前年度に引き続き画像例を収集し、その規模を向上させた。 2 視覚特徴とタグ情報を統合した距離算出法の検討:画像例に基づく概念間距離の算出法として、二つのタグがどの程度同じ画像に同時に付与されやすいかを統計的に評価する方法(テキストベース手法)と、色やテクスチャなどの視覚特徴の類似性を評価する方法(視覚特徴ベース手法)の2つを検討し、その性質を調べた。その結果、視覚特徴ベース手法では具体的な概念に対する距離ほど感覚的に妥当となるのに対し、テキストベース手法では概念の抽象度に関係なく常に同程度に妥当な距離が得られることが分かった。これを踏まえ、概念の抽象度をキーとして両手法を統合し、その有効性を検証した。この結果、統合手法では視覚特徴ベース手法やテキストベース手法を各々単独で用いる場合よりも感覚的に妥当な距離が得られることを確かめた。 3 視覚特徴の適応的選択による距離の妥当性の向上:視覚特徴ベース手法において、どのような概念に対しどのような視覚特徴が有効に機能するのかを実験的に調べた結果、概念対(river, water)では色ヒストグラムが有効に機能する一方、概念対(cat, dog)ではテクスチャパターンのヒストグラムが有効に機能するといったように、概念によって有効な視覚特徴が異なることが分かった。これを踏まえ、距離算出に用いる視覚特徴を概念対ごとに適応的に選択することを試み、その有効性を検証した。この結果、視覚特徴の適応的選択により、単一種類の視覚特徴を用いる場合や複数の視覚特徴を単純に併用する場合に比べ距離の妥当性が向上することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像例集合を随時スケールアップさせる傍ら、様々な特徴量をベースとした距離算出法やその統合法を検討しており、概念間距離の解析は着実に進められている。距離の経時解析部は現状のシステムには組み入れられていないものの、その基盤となるモジュール(画像例収集部や距離算出部など)は十分に蓄積されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
対象画像例のスケールアップ、表現特徴量の優劣、距離メトリックの吟味、人間の感覚との比較検討、などを実験的に検討する。さらに、サブテーマ「概念間距離の経時解析」について、画像例の自動収集・更新、タグのフィルタリング、概念間距離計測という個々のモジュールをオンラインで接続して、動的性質(画像例が日々増減すること)を有するWeb空間を自動的に長期間観測、解析が可能なようにシステム化する。ここでは、Web空間を対象に、動作するシステムの実現と公開を目指す。また、国際会議、学術論文などの研究発表を積極的に行う。
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