2013 Fiscal Year Annual Research Report
多次元伝達関数と多変量解析を用いた高解像度海洋大循環モデルのデータ可視化
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24650045
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
松岡 大祐 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, 研究員 (80543230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 文明 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, グループリーダー (90359224)
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Keywords | 多変量データ可視化 / 多次元伝達関数 / 海洋大循環モデル / 特徴抽出 |
Research Abstract |
本研究課題の最終年度においては、全球規模の海洋シミュレーションデータを対象とした海流等の構造の抽出手法の開発および応用を行った。具体的には、複数の物理変数からなる散布図マトリックスを用いた多変量データからの特徴抽出手法および表現手法を開発することにより、視覚的なクラスタ分析による海流構造の可視化を実現した。平成24年度に開発したk-means法等の機械的なクラスタ分析と比較し、解析者の知見を取り込みつつ妥当な解析を行うことが可能な点が優れている点である。 また、抽出した海流のもつ複数の物理量を同時に表現することが可能な多変量可視化手法の考察を行った。海流のもつ緯度、経度および鉛直方向の速度3成分、またはその方向までを考慮した速度6成分を同時に可視化するため、レイヤリング手法およびウィービング手法を独自に改良し、全球規模での海流の可視化を行った。その結果、単一の物理量だけを可視化した場合では理解するのが容易ではない速度場の構造を表現することに成功した。 前年度の成果も含め、本研究課題による成果によって、高解像度海洋大循環モデルを用いた大規模シミュレーション結果から、効率的に特徴構造を抽出し、効果的に表現するための可視化の一手法を確立することができたと言える。現状では、新たな科学的知見の発見までは至ることができなかったが、本研究成果を基盤とした可視化解析技術が海洋物理学分野全体に拡がることによって、各自の対象とする現象や構造の解析に特化した手法に発展し、科学的成果につながることを期待する。
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