2012 Fiscal Year Research-status Report
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24650050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
広田 光一 東京大学, 大学院情報学環, 准教授 (80273332)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 力覚提示 / ハプティックス / トルク変換 / スイッチング動作 / 電気粘性流体 |
Research Abstract |
汎用のER クラッチを用いた機構(プロトタイプ1)を試作した。ERクラッチのon時の最大伝達トルク、off時の摩擦トルク、スイッチングの時間遅れ、on時の剛性などの特性を計測し、モデル化をおこなった。また、ERクラッチ以外の機械要素として、力センサー等を含む系や、負荷装置のとしてのモータ特性の計測とモデル化をおこなった。これらのモデルからトルク変換機構の動作に関するシミュレーションを行い、モデルが機構を近似的に表現していることを確認した。 試作された機構について、スイッチング動作をおこなうことでトルク変換が可能であることを確認した。また、入出力の変換特性や効率について測定をおこなった。上述のモデルを用いたシミュレーションとの比較により、動作がある程度期待された状態であることを検証した。 モデルのパラメータを変化させることで、機構の改善に関する検討をおこなった。クラッチトルクのon-off比および入力軸と出力軸の慣性モーメント比が効率に比較的大きな影響を与えることが明らかとなり、これをもとに新たな機構(プロトタイプ2)の設計をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
改良された機構(プロトタイプ2)の実装と動作確認に多少手間取っているが、今後の研究作業のなかで遅れを回復したい。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に設計された機構(プロトタイプ2)の試作をおこなう。プロトタイプ1と同様にスイッチング動作によるトルク変換動作の確認をおこなう。また、各要素の特性を計測してモデル化をおこない、シミュレーションとの比較により機構の動作を検証する。 効率の改善する制御手法について検討をおこなう。具体的には、クラッチの遅れを補償する予測的スイッチング、クラッチに蓄積される歪エネルギーの消失を抑える履歴依存の制御、ホイールの運動状態に基づいてスイッチングのタイミングを調整する手法、などを検討する。 ユーザの操作に対するトルクの応答やリプルなどについて、力覚提示装置としての特性を評価し、機構および制御を改善する。機構の動作に関する計測データの分析に加え、被験者を用いた主観的な評価も行うことで、触力覚の特性を考慮した改良を行う。 以上の知見に基づいて、エネルギー蓄積型力覚提示装置の設計論を構築する。これをもとに、トルクや速度についてスケールの異なる条件における提案手法の応用の可能性の議論、その場合の効率や主たるエネルギー損失の要因、クラッチなどの構成要素に求められる特性などについて議論を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
機構の改良のための機械部品、評価のためのセンサ類、制御の改善のために現状より性能の高い計算機の導入などに、研究費の支出を予定している。また、国内・国際会議での成果発表、雑誌への論文の投稿などの支出を予定している。
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