2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントシミュレーションによる再生可能エネルギー導入効果予測技術の開発
Project/Area Number |
24650067
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 宏充 京都大学, 情報学研究科, 助教 (50455581)
|
Keywords | マルチエージェントシミュレーション / 社会シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では,再生可能エネルギーの社会導入方式に関する検討の実施を例題として,大規模マルチエージェントシミュレーションを利用した社会の設計について,その実現可能性を追求するための技術開発,ならびにシミュレーションの実施と検証を試みた.なお,本研究では,太陽光発電二基づく電力(PV電力),ならびに電気自動車(EV)の普及を仮定し,それらを活用したエネルギーシェアリングによって電力利用を効率化するためのシミュレーションを実施する事とした. ・エネルギー消費に関する利用可能データ,ならびに意識調査データに基づく人間のエネルギー消費行動の計算モデル化 複数の電力利用パターンをシミュレーションに組み込むため,日本建築学会「住宅におけるエネルギー消費量データベース」,およびエネルギー消費に関する意識調査データを基に,各世帯の電力消費に関する行動を実行するエージェントモデルを整備した.これにより,非一様なエージェントによるシミュレーションが可能となった. ・良好な社会設計を得るためのシミュレーションと探索技術の接合 本研究では,社会にとって良好と考えられる結果を出力したマルチエージェントシミュレーションのパラメータを,良好な社会設計として定義した.ここで,良好な社会設計を得るためには,1)有望な社会設計(シミュレーションパラメータの集合)の生成,2)生成したパラメータ集合に基づく大規模シミュレーションの実施を多数回繰り返す必要がある.本研究では,社会設計の生成を遺伝的アルゴリズムの応用によって実現し,各設計の価値を計算する大規模マルチエージェントシミュレーションと接合することで,良好な社会設計を得るための計算プロセスを確立した.
|