2012 Fiscal Year Research-status Report
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24650084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
有木 康雄 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (10135519)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 画像情報処理 / 状況理解 / オクルーション / 時間状況グラフ / パーティクルフィルター |
Research Abstract |
現在見ている状況を、人が伝達するという行為には、その状況を理解し、言語化して発声するというプロセスが含まれている。このような情報伝達のメカニズムをコンピュータで行うには、(A)現実に起こっている状況を視覚的に理解する、(B)理解した状況を言語化して音声で表現するといった処理が中心となる。さらに、(C)状況の原因や今後の予測を解説として言語化し、(D)理解した状況を図や映像として再表現する、といった機能が必要となる。また、コンピュータが状況を理解できるためには、(E)状況分析の方法を実例から自動学習するといった機能も必要である。 平成24年度は、(A)状況の視覚的な理解について研究を行った。試合の状況は、選手とボールの関係、選手と選手の関係で表現されるが、複数選手がオクルーションを起こしている場合には、選手の追跡に失敗し易い。そこで、オクルージョンにロバストな選手追跡を行うために、時間状況グラフにガイドされたパーティクルフィルタによる新しい選手追跡手法を提案した。 従来のパーティクルフィルタによる選手追跡では、映像のフレーム間で複数選手の位置情報を用いていないため、一度対象を見失うと再度発見するのが困難であるという欠点があった。そこで、複数選手の位置情報を時間状況グラフとして表現しておき、これにガイドされる形でパーティクルフィルタを実行すれば、オクルージョンが起こっても選手の誤検出を大幅に減らすことができる。評価実験では、実際の視点固定単眼サッカー映像に対して追跡実験を行い、時間状況グラフを用いないパーティクルフィルタによる選手追跡と、提案手法の時間状況グラフを用いたパーティクルフィルタによる選手追跡を比較した。その結果、従来手法に比べて提案手法の追跡精度は7.35 ポイント向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サッカーの試合における状況理解は、選手とボールの関係、選手と選手の関係で表現される。選手と選手の間ではオクルーションが常に起こっており、正確に選手を追跡することは困難な課題であった。この問題に対して、パーティクルフィルターは選手を追跡する有効な方法であったが、他の選手との関係を考慮していないため、追跡を誤ると復元することができなかった。この問題に対して、追跡状況をグラフとして表現し、選手全員の時間的な状況をとらえることで、オクルーションが起こっても、これまでのコンテキストから、選手を正確に追跡できるようになった。このことから、研究は目的達成においておおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
姿勢推定では、人物の画像をHOG(Histograms of Oriented Gradients)特徴で表現し、身体の関節角度24個を、重相関分析によりボトムアップ的に3次元推定する方法について研究を進めている。また、これを初期推定値として、パーティクルフィルターにより、精度の高いトップダウン3次元姿勢推定法も研究中である。現在、歩く、手を上げる、立ち止まるといった動作認識が可能である。この研究を拡張して、キックやヘディング、反則、スローインなどの動作認識を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費等の使用額がやや少なく、未使用額が生じた。次年度は、情報収集に予算を使う予定である。
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Research Products
(3 results)